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褥瘡の予防(ケア)
スキンケア
保清・保湿
●洗浄・清拭
褥瘡予防のためのスキンケアとは、皮膚を健康な状態に保ち、バリア機能(体内の水分が出ていくのを防ぐとともに外部からの刺激・異物から身体を守るはたらき)を維持することによって褥瘡の発生や感染を防ぐことです。
全身状態が落ち着いていれば、できるだけ入浴させるようにしましょう。入浴には血行促進効果があるため褥瘡予防に大変有用です。
- 洗浄の方法
洗浄の方法
マルホ(株)小冊子:褥瘡ケアを知ろう:13, 2022- 弱酸性の皮膚洗浄剤をよく泡立て、グローブをはめた手でやさしく洗浄します。決して強くこすらないようにしましょう。
- 洗浄剤が皮膚に残らないよう、人肌程度に温めた微温湯で十分に洗い流します。
- タオルで押さえるようにして水分をよく拭きとります。特に耳、手足の指の間、陰部、殿裂部などは、柔らかいタオルで丁寧に拭きましょう。
- 洗浄後、なるべく早く(できれば10分以内に)保湿剤を塗布します。
- 清拭の方法
- 室温を患者が寒くない程度(25℃前後)に調節しておきます。
- 50~55℃の湯に浸して固くしぼったタオル、または電子レンジを利用した蒸しタオルを用意します。いずれもタオルが熱すぎないか清拭前に確認してください。
- 顔→上肢→胸部→腹部→下肢→背部→殿部→陰部の順番で、末端から心臓に向かって拭いていきます。体温低下を防ぐため、清拭する部分以外はバスタオルなどで覆っておきましょう。
清拭の方法
マルホ(株)小冊子:褥瘡ケアを知ろう:13, 2022- 身体に水分が残らないよう、タオルで押さえるようにしてよく拭きとります。
- 清拭後、なるべく早く(できれば10分以内に)保湿剤を塗布します。
*全身を一度に行う必要はなく、体調に合わせて部位ごとに行っても問題ありません。*タオルは清拭しやすいように巻きます。タオルの巻き方
マルホ(株)小冊子:褥瘡ケアを知ろう:13, 2022
●保湿
乾燥した皮膚は汗や排泄物、衣類の接触、圧迫などの刺激に対してトラブルを起こしやすくなります。洗浄(入浴)・清拭後に保湿剤(ヘパリン類似物質含有軟膏や油脂性基剤軟膏、クリームなど)を塗布して皮膚の乾燥を防ぐほか、居室内の湿度が低くなり過ぎないようにすることも大切です。