褥瘡の予防(ケア)
圧迫・ずれの排除
体圧分散用具の紹介
体圧分散に使用する用具には、素材・機能・使用方法別にさまざまなものがあります。各用具の特徴を十分に理解し、患者の状態に適したものを選択しましょう。用具選択や管理方法が不適切な場合、逆に褥瘡を発生させてしまうことがあります。
体圧分散用具の種類
○:長所 ●:短所
素材 | 臥位用体圧分散用具の特徴 | 坐位用体圧分散用具の特徴 |
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エア |
○マット内圧調整により個々に応じた体圧調整ができる。
○セル構造が多層(2層と3層あり)のマットレスは低圧保持できる。
●自力体位変換時に必要な支持力(安定感)が得にくい。
●鋭利なものでパンクしやすい。
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○マット内圧調整により個々に応じた体圧調整ができる。
●エアの抜けが起こることがある。
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ウォーター |
○水の量により個々に応じた体圧調整ができる。
○ヘッドアップ時のずれが少ない。
●患者の体温維持のために、水温管理が必要である。
●水が時間とともに蒸発する。
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ウレタン フォーム |
○低反発のものほど圧分散効果がある。
○反発力の異なるウレタンフォームを組み合わせることで、圧分散と自力体位変換に必要な支持力(安定感)を得られる。
●個々に応じた体圧調整ができない。
●ウレタンフォーム上に身体が沈み込み、自立体位変換に支障をきたす場合がある。
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○低反発のものほど圧分散効果がある。
●年月が経つとへたりが起こり、圧分散力が低下する。
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ジェル(ゲル) またはゴム |
○動力を要しない。
○表面を拭くことができ、清潔保持できる。
●十分な体圧分散効果を得るには厚みが必要であるが、厚みを増やすと重量が増す。
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○ジェルが殿部を包み込み、ずれを防ぐ。
○表面を拭くことができ、清潔保持できる。
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ハイブリッド |
○2種類以上の素材(エアとウレタンフォーム)の長所を組み合わせることができる。
●体圧分散効果を評価するための十分なデータが不足している。
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日本褥瘡学会編集:在宅褥瘡予防・治療ガイドブック:57, 67, 2015より改変
エアマットレスの場合、圧の設定が適切かどうか「底付きの確認」をしながら使用しましょう。
底付きの確認方法

手の平を上にし、指をまっすぐにして、マットの下に差し込む。
圧迫されやすい部位の真下に入れること。
圧迫されやすい部位の真下に入れること。

示指か中指を曲げてみる。

●体圧分散用具の製造・販売会社ホームページへのリンク(50音順)
会社名 | URL |
---|---|
株式会社ケープ | http://www.cape.co.jp/ |
株式会社ハートウェル | http://www.heart-well.co.jp/ |
パラマウントベッド株式会社 | http://www.paramount.co.jp/ |
株式会社モルテン | http://www.molten.co.jp/health/ |
株式会社ユーキ・トレーディング | http://www.yukitrading.com/ |
横浜ゴムMBジャパン株式会社 | http://www.yrc.co.jp/medi-air/top.html |