褥瘡の予防(ケア)
皮膚の観察
褥瘡予防に重要な皮膚の観察
●鑑別診断
褥瘡の発生初期は紅斑(発赤)として観察されることが多いものの、紅斑(発赤)すべてが褥瘡とは限りません。紅斑(発赤)が一時的なものか、持続するものかを見極める必要があります。鑑別する方法としては、指押し法とガラス板圧診法があります。
【判定方法】
- 紅斑(発赤)部分を指またはガラス板(もしくはプラスチック板)で3秒押します(圧迫する)。
- 押したときに白く変化し、離すと再び赤くなる場合は褥瘡ではなく反応性充血であり、紅斑(発赤)が消褪しない場合は褥瘡(初期)の可能性を考えます。
紅斑(発赤)の判定方法 (尾骨部の紅斑<発赤>)
![図:紅斑(発赤)の判定方法](../img/mp-17_20.jpg)
日本褥瘡学会編集:在宅褥瘡予防・治療ガイドブック:34, 2015より一部改変
●褥瘡と間違いやすい疾患例
褥瘡と間違いやすい疾患には次のようなものがあります。
褥瘡の判別
![殿部皮膚カンジダ症
慢性閉塞性動脈硬化症
静脈瘤性症候群による下腿潰瘍
糖尿病性壊疽](../img/mp-21_24.jpg)
マルホ(株)小冊子:褥瘡ケアを知ろう:4, 2009