褥瘡の概要
疫学
有病者の特徴
褥瘡有病者は次のような特徴を有していることが明らかになりました。
褥瘡有病者の特徴
年齢 | 大学病院、精神病院以外の施設では、75歳以上の有病者の占める割合が50%を超えていた。 |
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性別 | 一般病院、療養病床を有する一般病院、大学病院、精神病院においては男性が半数を超えており、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、訪問看護ステーションにおいては女性の割合が高いという結果であった。 |
日常生活 自立度 |
いずれの施設でも「自力で寝返りもうたない」有病者の割合が最も高く、特に療養病床を有する一般病院および介護老人福祉施設においては60%を超えていた。 |
危険因子 | 「ベッド上での基本的動作能力においてリスクあり」の有病者は、精神病院を除く全施設で70%を超えていた。「病的骨突出あり」の割合は、病院で約42%、その他施設で約31%であった。 「関節拘縮あり」の割合は、大学病院27.9%とやや低いのに対し、療養病床を有する一般病院、介護老人福祉施設、訪問看護ステーションにおいては全て50%以上であった。「栄養状態の低下あり」は、病院が60%を超えていた。 湿潤に関する危険因子では、いずれの施設でも「発汗、浮腫あり」の割合が40%未満だったのに対し、「失禁あり」は療養病床を有する一般病院、精神病院、介護老人福祉施設、介護老人保健施設において60%以上という結果であった。 |
日本褥瘡学会編集:褥瘡予防・管理ガイドライン:13-15, 2009より引用