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- 褥瘡辞典 for MEDICAL PROFESSIONAL
- 褥瘡発生後のケア
- 圧迫・ずれの排除
- ずれ力のコントロール
褥瘡発生後のケア
圧迫・ずれの排除
ずれ力のコントロール
- 不整形・ポケット保有の褥瘡のケア
尾骨部の褥瘡、不整形またはポケット保有の褥瘡は、ヘッドアップ時のずれ力が関与している場合が多いため、ずれ力を評価(アセスメント)した上で、個々の患者の状態に即したポジショニングを行います。ヘッドアップは原則として30度までに留めます。ヘッドアップ時と仰臥位に戻したときは背抜きを実施し、背部や殿部に生じるずれ力を解消します。不整形な褥瘡へのケア
麻痺がある右側にずれ力が生じていたことがアセスメントされた。麻痺側にクッションを置いて、体勢がくずれないようにする。
宮地良樹, 溝上祐子編集:褥瘡治療・ケアトータルガイド:178, 2009ポケット保有褥瘡へのケア
ヘッドアップ時に下方へずれ力が生じていたことがアセスメントされたため、膝関節にクッションを置いて屈曲させてからヘッドアップし、側臥位にする。
宮地良樹, 溝上祐子編集:褥瘡治療・ケアトータルガイド:178, 2009ドレッシング材の形から見る身体のずれ
ドレッシング材の状態でずれ力をアセスメントし、ポジショニングの評価を行います。
ドレッシング材のずれの形で、ヘッドアップ時にずれが生じたことがアセスメントされる例。
宮地良樹, 溝上祐子編集:褥瘡治療・ケアトータルガイド:179, 2009 - 坐位時のケア
尾骨部や坐骨部に褥瘡がある場合は、90度ルールに従うほか、坐位用の厚めのクッションを使用して除圧・体圧分散を図ります。
同じ姿勢で長時間の坐位をとることを避け、定期的な(60分以内)除圧動作や、臥位になる時間を組み込みます。