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褥瘡発生後のケア
褥瘡発生後のケアの流れ
褥瘡が発生したら
●褥瘡発生時の対処
褥瘡が発生した場合、最初に行うべきことは褥瘡発生の原因追求です。発生に至った原因を見極め、明らかにすることが治療の第一歩となります。
- 褥瘡が発生した場合、原因が圧迫かずれかを追求し、なぜそれらが起こったのか評価(アセスメント)を行い、ケア計画に結びつけます。
- 主治医へ報告し、診察を行います。
- 患者と家族に褥瘡発生の原因、褥瘡の状況、今後の処置・ケア方法について説明します。医師・看護師が協働で行うことが望ましいでしょう。
- 体圧を測定し、適切な体圧分散用具を用意します。その際に日常生活動作の状況、疼痛に伴う安楽な体位の有無などを考慮します。
- 褥瘡の評価を行い、基礎疾患など褥瘡治癒に影響を与える要素(全身状態)も含めて褥瘡処置方法を検討します。
- 褥瘡の経過は記録として保存し、転帰を明らかにします。褥瘡が治癒せず退院・転院となる場合は、サマリーを作成し、他施設や訪問看護へケアの継続を依頼します。
●褥瘡処置の流れ
前段で決定した手順に沿って褥瘡処置を行います。
創周囲の洗浄は、滲出液、汗、ドレッシング材、排泄物などの汚れを除去し、創感染のリスクを減らすとともに、上皮化を促進することが目的です。
創部およびポケットの洗浄は、創表面やポケット内の異物や壊死組織の除去、外部からの汚染防止、細菌の増殖抑制を目的に行います。ドレッシング材による創部被覆の目的は、外部からの汚染防止や外用薬の固定です。
- 処置前
- 褥瘡処置を行う場合、患者に対して所要時間や方法を事前に説明し、了解を得ます。
- 処置に必要な物品はトレイなどにまとめて準備しておくと、効率よく行うことができます。
- 褥瘡処置は長時間の体位の保持や、処置時の疼痛などによる苦痛を伴う場合があるため、必要に応じて予め鎮痛剤を使用します。
- 感染対策としてガウンやマスク、手袋を着用します。
- 洗浄を行う際、寝具が汚染されないように処置用シートを使用します。
褥瘡処置に必要な物品
- 手袋(プラスチック手袋)
- 外用薬、ドレッシング材
- 処置用のシーツ
- テープ
- 洗浄びん(先細のキッチン洗剤の空容器などでもよい)
- ガーゼ、ティッシュペーパー
- おむつ、尿取りパッド
- ゴミ袋
- 不織布またはタオル
- 石鹸、洗浄剤、撥水性のクリームなど
- プラスチックスプーン
- はさみ
- 処置
- フィルムドレッシング材は、皮膚に負担をかけないよう皮膚と平行にはがします。
- 創周囲の洗浄は十分に洗浄剤を泡立てて、やさしく洗います。
- 褥瘡の観察とアセスメントを行います(使用していたドレッシング材にどの程度滲出液による汚染があるか、ドレッシング材のよれはないかなど)。
- 滲出液の量や便、尿汚染の状況により使用するドレッシング材の選択を医師が行います。
- 排泄物による汚染がみられる場合は、フィルムドレッシング材を使用し、創内が汚染しないように保ちます。
ドレッシング材やテープ類の剥離
褥瘡および周囲の皮膚洗浄
ドレッシング材の固定
- 処置後
- 処置頻度を決定します。
- 寝具を整え、患者を安楽な体位に戻します。
- 患者と家族に対し、行った処置の説明します。
- 褥瘡の評価および処置・ケア内容を記録します。