臨床成績

臨床成績

ファムシクロビルの再発性の単純疱疹に対する第Ⅲ相二重盲検比較試験

社内資料:再発性の単純疱疹患者を対象としたファムシクロビルの第Ⅲ相試験(M521101-02試験)(承認時評価資料)

【試験概要】

目的

再発性の単純疱疹(口唇ヘルペス、性器ヘルペス)患者に対し、PITとしてファムシクロビル1回1000mgを2回投与した際の有効性と安全性を検討する。
※Patient Initiated Therapy:あらかじめ処方された薬剤を初期症状に基づき患者判断で服用開始する治療方法

対象

以下すべてを満たす再発性の単純疱疹患者を対象とし、1,134例がランダム化され、531例が治験薬を服薬した。
(ファムビル群:263例 プラセボ群:268例)

  • 20歳以上80歳未満
  • 再発性の口唇ヘルペス又は再発性の性器ヘルペスのどちらか同じ病型を直近1年間に3回以上再発した患者
  • 初期症状を正確に判断できると治験責任医師又は治験分担医師が認めた患者
  • ウイルス抗体検査でHSV IgG抗体陽性(EIA値2.0以上)の患者

投与方法

PITとしてファムシクロビル1回1000mgを2回経口投与した。1回目の投与は、初期症状発現後6時間以内とし、2回目の投与は1回目の12時間後(許容範囲は6~18時間後)とした。

有効性評価項目

◆主要評価項目
単純疱疹のすべての病変部位が治癒するまでの時間

◆副次評価項目
単純疱疹の病変部位のウイルスが消失するまでの時間
単純疱疹のすべての病変部位が完全痂皮化するまでの時間
単純疱疹に伴う疼痛が消失するまでの時間
単純疱疹の初期症状が消失するまでの時間
Aborted lesion症例の割合
※紅斑・丘疹より進行しなかった皮疹(初期症状のみで皮疹発現なしを含む)

解析計画

治験薬を投与した全症例をIntention-to-treat(ITT)とし、ITTからAborted lesion症例を除外した集団をmodified ITT(mITT)とした。

主要評価項目はmITTを対象に、Kaplan-Meier推定法によりデータを要約し、投与群及び病型を説明変数としたCox比例ハザード回帰分析を用いて解析した。
また、主要評価項目は、mITTを対象に、病型、性別、年齢、再発回数、初期症状発現から治験薬服薬までの時間、ウイルス学的検査に対して、部分集団解析を行った。

【主要評価項目】

単純疱疹のすべての病変部位が治癒するまでの時間

単純疱疹のすべての病変部位が治癒するまでの時間(中央値)は、ファムビル群で4.7日、プラセボ群で5.7日であり、中央値の差[95%信頼区間]は-1.05日[-1.70、-0.40]でした。プラセボ群に対するファムビル群のハザード比[95%信頼区間]は1.33[1.08、1.64]であり、ファムビル群が治癒までの時間を有意に短縮し、プラセボ群に対する優越性が検証されました(P=0.008)。

【副次評価項目】

単純疱疹の病変部位のウイルスが消失するまでの時間

単純疱疹の病変部位のウイルスが消失するまでの時間(中央値)は、ファムビル群で3.3日、プラセボ群で3.8日であり、中央値の差[95%信頼区間]は-0.46日[-1.26、0.35]でした。プラセボ群に対するファムビル群のハザード比[95%信頼区間]は1.36[1.01、1.83]であり、ファムビル群はプラセボ群と比較してウイルス消失が有意に早いことが示されました(P=0.042)

*:投与群及び病型を説明変数としたCox比例ハザード回帰分析

単純疱疹のすべての病変部位が完全痂皮化するまでの時間

単純疱疹のすべての病変部位が完全痂皮化するまでの時間(中央値)は、ファムビル群で4.0日、プラセボ群で4.8日であり、中央値の差[95%信頼区間]は-0.86日[-1.39、-0.33]でした。プラセボ群に対するファムビル群のハザード比[95%信頼区間]は1.35[1.10、1.66]であり、ファムビル群はプラセボ群と比較して完全痂皮化が有意に早いことが示されました(P=0.004)

*:投与群及び病型を説明変数としたCox比例ハザード回帰分析

単純疱疹に伴う疼痛が消失するまでの時間

単純疱疹に伴う疼痛が消失するまでの時間(中央値)は、ファムビル群で2.2日、プラセボ群で3.2日であり、中央値の差[95%信頼区間]は-1.02日[-1.64、-0.40]でした。プラセボ群に対するファムビル群のハザード比[95%信頼区間]は1.20[0.97、1.49]であり、ファムビル群とプラセボ群に群間差はありませんでした(P=0.088)

*:投与群及び病型を説明変数としたCox比例ハザード回帰分析

単純疱疹の初期症状が消失するまでの時間

Aborted lesion症例を対象とした単純疱疹の初期症状が消失するまでの時間(中央値)は、ファムビル群で2.4日、プラセボ群で2.1日であり、中央値の差[95%信頼区間]は0.33日[-0.71、1.36]でした。プラセボ群に対するファムビル群のハザード比[95%信頼区間]は0.86[0.61、1.22]であり、ファムビル群とプラセボ群に群間差はありませんでした(P=0.390)

*:投与群及び病型を説明変数としたCox比例ハザード回帰分析

Aborted lesion症例の割合

ITTを対象としたAborted lesion症例の割合[95%信頼区間]は、ファムビル群で29.7%[24.2、35.6](78/263例)、プラセボ群で29.9%[24.4、35.7](80/268例)であり、群間差はありませんでした(P=0.959)。

※紅斑・丘疹より進行しなかった皮疹(初期症状のみで皮疹発現なしを含む)

副作用

副作用はファムビル群263例中14例(5.3%)、プラセボ群268例中4例(1.5%)に認められました。ファムビル群の主な副作用は傾眠3例(1.1%)、頭痛2例(0.8%)等でした。プラセボ群の主な副作用は尿中血陽性1例(0.4%)等でした。
死亡を含む重篤な副作用は両群ともに認められませんでした。
投与中止に至った副作用として、ファムビル群で動悸が1例認められ、投与中止後回復しました。

 


用法・用量(一部抜粋)
単純疱疹
通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mgを1日3回経口投与する。また、再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。

用法・用量に関連する使用上の注意(一部抜粋)
<共通>
腎機能障害患者
腎機能障害のある患者では投与間隔をあけて減量することが望ましい。
腎機能に応じた本剤の投与量及び投与間隔の目安は下表のとおりである。
腎機能に応じた本剤の減量の目安
血液透析患者
血液透析患者には本剤250mgを透析直後に投与する。なお、次回透析前に追加投与は行わない。

<単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合>

  • 単純疱疹(口唇ヘルペス又は性器ヘルペス)の同じ病型の再発を繰り返す患者であることを臨床症状に基づき確認すること。
  • 同じ病型の再発頻度が年間3回以上の患者であることを確認すること。
  • 再発の初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)を正確に判断可能な患者であることを確認すること。
  • 再発頻度及び患者の腎機能の状態等を勘案し、本剤の処方時に、服用時の適切な用法・用量が選択可能な場合にのみ処方すること。
  • 初期症状発現から6時間以内に受診及び服用可能な場合はその1回の再発分、それ以外の場合は次回1回の再発分の処方に留めること。
  • 国内臨床試験は、口唇ヘルペス又は性器ヘルペスの患者を対象に本剤の有効性及び安全性の検討を目的として実施された。
  • 本剤の服用は、初期症状発現後、速やかに開始することが望ましい。[初期症状発現から6時間経過後に服用を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。]また、臨床試験において、2回目の投与は、初回投与後12時間後(許容範囲として6〜18時間後)に投与された。

使用上の注意(一部抜粋)
2.重要な基本的注意
<共通>

  1. (1)本剤は、免疫機能の低下(造血幹細胞移植、臓器移植、HIV感染による)を伴う患者に対する有効性及び安全性は確立していない。
  2. (2)意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。

<単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合>

  1. (1)本剤の服用は、初期症状発現後、速やかに開始することが望ましいことから、初回の服用は初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)出現後6時間以内に服用すること、2回目は、初回服用後12時間後(許容範囲として6〜18時間後)に服用すること、妊娠又は妊娠している可能性がある場合には、服用しないことを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認したうえで処方すること。

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