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酒さの定義


    酒さの定義:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023

    主として中高年の顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患である。下記の病型が単独もしくは混在するのを特徴とする1)
    痤瘡とは異なり、面皰を伴わない1)
    • 紅斑毛細血管拡張型酒さ(erythemato-telangiectatic rosacea、第1度酒さ、紅斑性酒さ):
      紅斑と毛細血管拡張、火照り感を主体とした赤ら顔とも呼ばれる症状1)
    • 丘疹膿疱型酒さ(papulopustular rosacea、第2度酒さ、酒さ性痤瘡)
      痤瘡に類似する丘疹・膿疱を主たる症状とするが面皰を伴わない1)
    • 瘤腫型酒さ・鼻瘤(phymatous rosacea、第3度酒さ)
      鼻部を中心とした腫瘤を形成する鼻瘤に代表される1)
    • 眼型酒さ(ocular rosacea、眼合併症)
      眼瞼・眼球結膜の充血や炎症を伴う1)

    増悪因子として、紫外線、外気温の急激な変化、刺激のある食べ物やアルコールの摂取などが知られている1)2)3)
    眼型酒さは、脂腺性毛包周囲もしくは脂腺周囲の炎症反応を主座とする酒さの炎症が、眼瞼縁において睫毛周囲と脂腺の一種であるマイボーム腺周囲に及んだものであり、マイボーム腺の機能不全によって、粘膜上皮の炎症から眼瞼辺縁、眼瞼結膜、そして眼球結膜に紅斑、充血、ドライアイ、眼脂の増加などの眼症状をきたすものと考えられている1)2)3)
    現時点では眼型酒さに対するコンセンサスの得られた治療方法はない1)

    1. 日皮会誌:133(3),407-450,2023(令和5)
    2. Jabbehdari S et al: Eur J Ophthalmol 31: 22-33,2021
    3. Rodrigues-Braz D et al: MolVis 27: 323-353, 2021

    酒さの病型

    監修:
    • Aloop Clinic & Lab 院長/東北大学医学部 臨床教授(皮膚科学) 山﨑 研志 先生
    • 紅斑毛細血管拡張型酒さ(erythemato-telangiectatic rosacea、第1度酒さ、紅斑性酒さ)
      一過性顔面潮紅、持続性紅斑、毛細血管拡張を主体とする。頬部や鼻部、眉間部、頣部の顔面中央部に分布する赤みや瘙痒感、火照りを生じる。
      記事/インライン画像
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    • 丘疹膿疱型酒さ(papulopustular rosacea、第2度酒さ、酒さ性痤瘡)
      痤瘡に似た丘疹と膿疱を主病変とする。痤瘡に類似するが、面皰は存在しない。丘疹・膿疱部では毛孔一致性の膿疱が確認される。
      記事/インライン画像
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    • 瘤腫型酒さ・鼻瘤(phymatous rosacea、第3度酒さ)
      鼻の病変が特徴的で、鼻部の発赤、毛細血管拡張、毛孔開大・脂腺拡張、皮膚硬化・線維化、鼻形態の変形を認める。
      記事/インライン画像
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    • 眼型酒さ(ocular rosacea、眼合併症)
      眼瞼炎や結膜炎症状を主病変とする。涙目様の結膜充血、眼球の異物感・熱感・瘙痒・乾燥、羞明感などの眼症状を主体とする。

    写真:山﨑 研志 先生ご提供

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