褥瘡発生後のスキンケア
- 総監修:
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- 群馬大学 名誉教授 石川 治 先生
- 監修:
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- 医療法人社団廣仁会 札幌皮膚科クリニック 安部 正敏 先生
- 訪問看護ステーション 有限会社きらくな家 代表 中里 貴江 先生
褥瘡および周囲のスキンケア
褥瘡発生後のスキンケアは、治癒の妨げとなる排泄物、汗、滲出液などと褥瘡の接触を回避することを目的に行います。皮膚の清潔と湿潤を適切に管理することで創傷治癒を促進します。
褥瘡周囲のスキンケア
- 洗浄の方法
- 吸水パッドを敷きます。
- 患部周囲の皮膚を押さえながら、ガーゼやドレッシング材を固定しているテープをゆっくりはがします。
- 弱酸性の皮膚洗浄剤をよく泡立て、グローブをはめた手でやさしく洗浄します。
- 洗浄剤が皮膚に残らないよう、人肌程度に温めた微温湯で十分に洗い流します。
- 皮膚に残った水分をよく拭きとり、外用薬の塗布、ドレッシング材の固定を行います。
- 創縁に排泄物、汗、滲出液などによる浸軟が見られる場合は、撥水性のある皮膚被膜剤を塗布します。
*1日1回、あるいはドレッシング材交換時に行います。
*尿・便失禁で褥瘡が汚染されるおそれがある場合、ドレッシング材(ポリウレタンフィルム)で覆います。
創周囲皮膚の洗浄方法
記事/インライン画像
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日本褥瘡学会編集:在宅褥瘡予防・治療ガイドブック:129, 2015より一部改変
- ポケット内の洗浄方法
- 肉芽を損傷しないように注意しながらポケット内にカテーテルを挿入します。
- 人肌程度に温めた生理食塩水や水道水で、ポケットと創傷の接着が開かない程度に圧をかけて洗浄します。
- 洗浄回数は創の状態に応じて決定し、体位はポケットが下側になると創内を十分に洗浄しやすくなります。
*ポケットは滲出液が貯留しやすく、壊死組織の残存や感染が治癒遅延につながるため、洗浄による創の清浄化が重要です。
記事/インライン画像
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日本褥瘡学会編集:在宅褥瘡予防・治療ガイドブック:134, 2015



