薬局経営者に聞く:調剤事業を中核とした「総合医療産業」創造へ 電子処方箋、オンライン服薬指導、リフィル処方箋の導入で 患者の流れが激変する(4/4)
「総合医療産業」を目指し社名から「調剤」を抹消
- ─今後の中期計画についてお聞かせください。
【岩崎】特に、売上高とか店舗数などの数字の目標は設けていません。ただ、業界で4位以内に入っていなければいけないと、常日頃、言っています。4本の指に入っていませんと、買収対象になってしまいます。
弊社の将来像を申し上げれば、「総合医療産業」をイメージしています。もちろん調剤が本丸なのですが、その周りに、付随するあらゆる産業を配置していきたいと考えています。医療保険に依存する一本足打法では、余りに危険です。既に、サービス付き高齢者住宅やデイサービス、訪問看護ステーションなど介護・福祉分野には進出済みですし、給食宅配事業やフィットネスクラブの運営などヘルスケア分野も手掛けています。そうした関連分野において、どのように処方箋に結び付けるのかが大きなテーマになっていますし、一方で、私どもがまだ手掛けていない未知の分野が、調剤事業の周辺には広く残されています。具体的には、葬儀業なども含まれます。

そうした将来像を描いているために、社名から「調剤」という文言を消したかったのです。そのため「I&H」という社名にしました。
将来についてもう一つ、敢えて付け加えさせていただくと、私の長期政権にするつもりはありません。80歳になるまで、今の役職についている考えは毛頭ありません。時代の最先端に立ちながら、さまざまな対策を打っていくには若い感性と体力が必要です。ですから60歳前後で引退しなければならないだろうと、今のところ考えています。その後は、違う世界を見てみたい。子供の頃から薬の世界を見てきましたから、薬から離れた生活を夢見ています。例えば、ワイナリーを全国で10カ所ぐらい経営するなんて、魅力的ですよね(笑)。
- ─プライベートなこともお聞かせください。お生まれはどちらですか。
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【岩崎】神戸です。1973年生まれですから48歳です。
- ─休日はどのようにお過ごしですか。
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【岩崎】ストレスがあまり溜まらない体質なので、特段、何か好きなことに没頭するということはありません。ゴルフもしませんので、休みの日は、小学生の子供の送り迎えをしていますね。いずれ、自分で使える時間が取れるようになったら、サンゴを植えるボランティアに参加したいと思っています。近年、温暖化等によって海水温度が上昇し、サンゴの白化現象が急速に進んでいますので、社会貢献の一つとして取り組みたいと思っています。

企業情報
名称 | I&H株式会社 |
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英⽂名称 | I&H Co., Ltd. |
設⽴ | 2019年2⽉28⽇ |
代表者 | 代表取締役社⻑ 岩崎 裕昭 |
資本⾦ | 41億2,662万9,000円(2021年5⽉末⽇現在) |
従業員数 | 4,610⼈(2021年6⽉末⽇現在) |
売上⾼(連結) | 1,224億7,400万円(2021年5⽉期) |
本社 | 〒659-0066 兵庫県芦屋市⼤桝町1番18号 MAP |
東京本社 | 〒105-0001 東京都港区⻁ノ⾨1-1-12 TORANOMON BUILDING 10階 |