ヒルドイドソフト軟膏0.3%、ヒルドイドローション0.3%の臨床試験結果
用法・用量と保湿効果に関する検討1)
保湿剤の適切な用法・用量を検討するため、ヒルドイドソフト軟膏0.3%とヒルドイドローション0.3%を用いて、人工的乾燥皮膚を対象に塗布量と保湿効果、塗布回数と保湿効果、入浴後の塗布タイミングと保湿効果の関係について検討した。
試験概要
- 対象
- 試験開始1週間前に測定した前腕内側部の角層水分量の部位差が少なく、年齢20~50歳でBMI(肥満度指数)17~25㎏/m²の健康成人
- 前処理
- 被験部位にアセトン/エーテル混液で脱脂処置して、 人工的乾燥皮膚を作製した。
- 角層水分量の
測定 - コルネオメーターにて角層水分量を測定した。
- 評価項目
- ①塗布量と保湿効果の関係
②塗布回数と保湿効果の関係
③入浴後の塗布タイミングと保湿効果の関係
個々の試験方法と結果
①塗布量と保湿効果の関係
- 被験者
- 8名(男性6名、女性2名、平均年齢27歳)
- 被験薬
- ヒルドイドソフト軟膏0.3% 1mg/cm²および3mg/cm²
- 試験スケジュール
-
記事/インライン画像
- 結果
記事/インライン画像

保湿剤除去1、2、4時間後における角層水分量は、1mg/cm²塗布群よりも3mg/cm²塗布群で有意に高いことが示された(Aspin-Welchのt検定、p<0.05 名目上のp値)。
②塗布回数と保湿効果の関係
- 被験者
- 6名(男性4名、女性2名、平均年齢35歳)
- 被験薬
- ヒルドイドローション0.3% 2mg/cm²
- 試験スケジュール
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記事/インライン画像
- 結果
記事/インライン画像

1回塗布群と2回塗布群では有意差はなかった。
*塗布回数2回のグラフが2本あるが、試験内容は同じである。ただし、塗布部位が異なる。
③入浴後の塗布タイミングと保湿効果の関係
- 被験者
- 5名(男性3名、女性2名、平均年齢33歳)
- 被験薬
- ヒルドイドローション0.3% 1mg/cm²
- 試験スケジュール
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記事/インライン画像
- 結果
記事/インライン画像

入浴10分後と30分後を比較すると、有意差はなかった。
- 中村光裕、宮地良樹ほか:皮膚の科学, 5(4), 311-316, 2006