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ヒルドイドクリーム0.3%、ヒルドイドソフト軟膏0.3%、ヒルドイドローション0.3%の臨床試験結果


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皮膚外用剤の物性の違いが塗布量に与える影響に関する臨床研究:成人被験者を対象とした塗布量の探索的検討1)

試験概要

目的
成人被験者を対象に、皮膚外用剤の一般的な基剤(軟膏基剤、クリーム基剤及びローション基剤)を用いて、基剤の物性の違いが塗布量に及ぼす影響を探索的に検討した。
対象

20~65歳の成人男性及び女性62例

方法
非盲検クロスオーバー探索試験。事前に決定した割付表にしたがい、各被験者の各期に試験品(軟膏基剤、クリーム基剤及びローション基剤)を無作為に割り付けた。研究期間は3期(Ⅰ期~Ⅲ期)の塗布期間からなり、各期に4日間の反復塗布を行い、塗布量を調査した。各期の間の無塗布期間は2日間とした。
記事/インライン画像

■4日間反復塗布の塗布方法

試験品(軟膏基剤、クリーム基剤またはローション基剤)を被験者に各期の初日に4本ずつ提供した。被験者は提供された試験品を4日間、左右前腕(手首~肘)に1日3回適量塗布した。各期ともに塗布量の具体的な指導は行わず、被験者が適量と感じる量を被験者自身に塗布させた。7日目、14日目及び19日目に被験者から試験品(空容器も含む)を回収した。

■4日間塗布量

各被験者に提供した試験品の提供前及び回収後に秤量した風袋込重量から4日間の塗布量を算出した。

評価項目
4日間塗布量など
解析方法
各試験品の4日間塗布量の最小二乗平均値及び標準誤差を性別ごとに算出した。試験品、試験期を固定効果とした分散分析を用いて性別ごとの4日間塗布量を比較した。また、各試験品の塗布量が1FTU換算した塗布量に達しているかを評価するため、被験者ごとの4日間塗布量と1FTU換算量(前腕面積×1.7mg/cm²)の差を算出し、性別ごとに1FTU換算量以上の量を塗布した被験者の割合を算出した。さらに、試験品及び性別ごとの4日間塗布量と1FTU換算量の差の分布を評価した。なお、クリーム基剤では、女性1例の塗布量が逸脱により欠測となったが、欠測値は補完しなかった。

被験者背景

男性(n=31) 女性(n=31)
年齢(歳) 平均値±S.D.[範囲] 45.0 ± 12.2[23~63] 45.3 ± 11.9[25~64]
合併症 あり/なし 1/30 0/31
病歴 あり/なし 0/31 1/30
肌質 脂性肌 1(3.2%) 1(3.2%)
混合肌 8(25.8%) 12(38.7%)
乾燥肌 2(6.5%) 8(25.8%)
敏感肌 0(0%) 1(3.2%)
特に問題なし 20(64.5%) 9(29.0%)
外用剤の使用経験あり 6(19.4%) 7(22.6%)

*:自己申告した肌質
仲東春香ほか:YAKUGAKU ZASSHI 139, 1313-1325, 2019より改変

4日間塗布量:評価項目

  • 4日間塗布量が1FTU換算量以上であった被験者の割合
軟膏基剤 クリーム基剤 ローション基剤
男性 32.3%
(10/31例)
54.8%
(17/31例)
51.6%
(16/31例)
女性 25.8%
(8/31例)
40.0%
(12/30例)
38.7%
(12/31例)

軟膏基剤、クリーム基剤及びローション基剤の4日間塗布量が1FTU換算量以上であった被験者の割合は上記のとおりであった。男性及び女性ともに軟膏基剤では3分の2を超える被験者の塗布量が1FTU換算量未満であった。

  • 男女別の試験品(軟膏基剤、クリーム基剤、ローション基剤)の4日間塗布量と1FTU換算量の差
記事/インライン画像

4日間塗布量と1FTU換算量の差の中央値は、男性ではクリーム基剤1.29g、ローション基剤0.21g、軟膏基剤 -2.00g、女性ではローション基剤 -0.41g、クリーム基剤 -1.30g、軟膏基剤 -2.98gの順であった。

結論

いずれの基剤でも、具体的な外用指導がないため十分な量が塗布できていない場合が多かった。皮膚外用療法で基剤を選択あるいは変更する際には、皮膚科医のみならず、外用指導を行う薬剤師などが基剤の重要性を認識するとともに、患者が十分な量を塗布するように積極的に指導を行うことが重要である。

本研究の限界

  • 患者ではない成人被験者を対象とした探索的な検討であること。
  • 塗布期間が4日間であり、長期間での塗布量の変化や塗布継続についての検討が行われていないこと。
  • 実施時期が限られ、季節の違いによる検討が行われていないこと。
  • 検証されていないアンケートを用いた調査であること。
  1. 仲東春香ほか:YAKUGAKU ZASSHI 139, 1313-1325, 2019(G2202110) 
     [利益相反]本試験に関する費用負担はマルホ株式会社が行った。
    著者はマルホ株式会社の社員である。

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