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ヘマンジオルの投与を開始する前の【禁忌】、【慎重投与】、【相互作用】等の確認


    ヘマンジオルシロップの投与を開始する前に、患者又は患者が服用中の薬剤が下記の項目に該当するかどうかを必ずご確認ください。

    【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

    (1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    (2)気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者

    気管支を収縮し、喘息症状が誘発又は悪化するおそれがある。

    (3)低血糖の患者

    本剤は低血糖を悪化させやすく、その症状をマスクし、発見を遅らせる危険性がある。

    (4)重度の徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者

    これらの症状が悪化するおそれがある。

    (5)心原性ショックの患者

    心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。

    (6)コントロール不良の心不全のある患者

    心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。

    (7)重度の低血圧症の患者

    心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。

    (8)重度の末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、壊疽等)

    症状が悪化するおそれがある。

    (9)褐色細胞腫の患者

    血圧が急激に上昇するおそれがある。

    (10)異型狭心症の患者

    症状が悪化するおそれがある。

    【慎重投与】(次の患者には慎重に投与すること)

    (1)心不全の患者

    心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。

    (2)徐脈の患者

    徐脈が悪化するおそれがある。

    (3)房室ブロック(Ⅰ度)のある患者

    房室伝導時間が延長し、房室ブロックが悪化するおそれがある。

    (4)低血圧の患者

    低血圧が悪化するおそれがある。

    (5)重篤な肝、腎機能障害のある患者

    薬物の代謝・排泄が影響をうける可能性がある。

    (6)潰瘍を伴う乳児血管腫の患者

    高カリウム血症が報告されている。

    (7)出生後5週未満の患者

    下記〔小児等への投与〕参照

    (8)PHACE症候群の患者

    血圧低下や血流量低下により、脳卒中のリスクを高める可能性がある。

    小児等への投与

    低出生体重児、新生児、出生後5週未満の乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

    <専門医によるガイダンス>

    低出生体重児、新生児、出生後5週未満の乳児にヘマンジオルシロップの投与を検討する際の注意点

    以下の条件にあてはまる場合は、修正週数5週まで待ってから投与を開始してください。

    • 早産児で修正週数5週未満
    • 生命や機能を脅かす合併症を伴う乳児血管腫ではない場合
    • 体重2kg未満
    • 導入時に入院管理が不可能な場合

    また、上の条件にあてはまらない低出生体重児、新生児、出生後5週未満の乳児に投与する場合は、効果が得られる最低用量で維持するなど、慎重に投与すべきです。

    【禁忌】(抜粋)

    (4)重度の徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者

    重度の徐脈の基準は明確ではありませんが、下記の情報を参考にご判断をお願いします。

    <参考> 徐脈診断の目安

    徐脈により十分な心拍出量を維持できなくなった場合にみられる症状
    哺乳不良、多呼吸、呼吸困難、冷汗、浮腫(下腿の浮腫、眼瞼浮腫など)、四肢冷感等の心不全症状

    海外添付文書(欧州添付文書及び米国添付文書では禁忌として以下が設定されている)

    • 欧州添付文書に記載の禁忌(抜粋)
      以下の数値を下回る徐脈
      生後3ヵ月未満=100回/分
      生後3ヵ月以上6ヵ月未満=90回/分
      生後6ヵ月以上12ヵ月未満=80回/分
    • 米国添付文書に記載の禁忌(抜粋)
      心拍数80回/分を下回る場合

    本剤の投与にあたっては、これらの数値を目安とし、生活の様子や上記の症状の有無を含めて患者の状態を総合的に評価し、投与可否を決定することが必要となる。

    【禁忌】(抜粋)

    (7)重度の低血圧症の患者

    重度の低血圧の基準は明確ではありませんが、下記の情報を参考にご判断をお願いします。

    <参考> 低血圧診断の目安

    低血圧の場合にみられる心不全症状
    哺乳不良、多呼吸、呼吸困難、冷汗、浮腫(下腿の浮腫、眼瞼浮腫など)、四肢冷感

    海外添付文書(欧州添付文書及び米国添付文書では禁忌として以下が設定されている)

    • 欧州添付文書に記載の禁忌(抜粋)
      以下の数値を下回る低血圧
      生後3ヵ月未満=65/45mmHg
      生後3ヵ月以上6ヵ月未満=70/50mmHg
      生後6ヵ月以上12ヵ月未満=80/55mmHg
    • 米国添付文書に記載の禁忌(抜粋)
      血圧50/30mmHgを下回る場合

    本剤の投与にあたっては、これらの数値を目安とし、生活の様子や上記の症状の有無、脈拍等を含めて患者の状態を総合的に評価し、投与可否を決定することが必要となる。

    【相互作用】

    本剤は、主として肝代謝酵素CYP 2D 6、CYP 1A 2、CYP 2C 19によって代謝される。

    併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤

    レセルピン、β遮断剤(チモロール等の点眼剤を含む)等

    交感神経系の過剰の抑制(徐脈、心不全等)をきたすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

    相互に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。

    血糖降下剤

    インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等

    血糖降下作用が増強されることがある。また、低血糖症状(頻脈等)をマスクすることがあるので血糖値に注意すること。

    血糖値が低下するとカテコールアミンが副腎から分泌され、肝でのグリコーゲンの分解を促し、血糖値を上昇させる。
    このとき、肝臓のβ受容体が遮断されていると、カテコールアミンによる血糖上昇作用が抑えられ、血糖降下作用が増強する可能性がある。
    また、カテコールアミンによる頻脈のような低血糖症状がマスクされると考えられている。

    カルシウム拮抗剤

    ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピン等

    ベラパミル、ジルチアゼム等では、低血圧、徐脈、房室ブロック等の伝導障害、心不全が発現するおそれがあるので減量するなど注意すること。また、ジヒドロピリジン系薬剤でも、低血圧、心不全が発現するおそれがあるので注意すること。

    相互に作用(心収縮力や刺激伝導系の抑制作用、降圧作用等)を増強させる。
    薬物動態的な相互作用のメカニズムは解明されていないが、肝血流量の変化によって本剤の代謝が影響をうけると考えられている。

    クロニジン

    クロニジンの投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇、頭痛、嘔気等)を増強する可能性がある。クロニジンを中止する場合には、本剤を先に中止し、その後数日間観察した後、クロニジンを中止すること。また、クロニジンから本剤へ投与を変更する場合にはクロニジンを中止した数日後から本剤を投与すること。

    クロニジンを投与されている患者でクロニジンを中止すると、血中カテコールアミンが上昇し、血圧上昇をきたす。β遮断剤が投与されていると、カテコールアミンによるα刺激作用が優位になり、血管収縮がさらに増強される。

    クラスⅠ抗不整脈剤

    ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等

    クラスⅢ抗不整脈剤

    アミオダロン等

    過度の心機能抑制(徐脈、心停止等)があらわれることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

    抗不整脈剤は陰性変力作用及び陰性変時作用を有する。
    β遮断剤もカテコールアミンの作用を遮断することにより心機能を抑制するため、併用により心機能が過度に抑制される。

    交感神経刺激剤

    アドレナリン等

    相互の薬剤の効果が減弱する。また、血管収縮、血圧上昇をきたすことがあるので注意すること。

    非選択性のβ遮断剤により末梢血管のβ受容体が遮断された状態でアドレナリンなどの交感神経作動薬が投与されると、α受容体を介する血管収縮作用のみがあらわれる。
    また、徐脈は副交感神経の反射によるものである。

    麻酔剤

    セボフルラン等

    反射性頻脈が弱まり、低血圧のリスクが増加することがある。 陰性変力作用の小さい麻酔剤を選択すること。また、心筋抑制作用を有する麻酔剤との併用は出来るだけ避けること。

    麻酔剤により低血圧が起こると反射性の頻脈が起こる。β遮断剤が併用されていると、反射性の頻脈を弱め、低血圧が強められる可能性がある。また、陰性変力作用を有する麻酔剤では、相互に作用を増強させる。

    リドカイン

    リドカインの代謝を遅延させ、血中濃度を上昇させることがあるので併用は避けること。

    本剤が肝血流量を減らし、また肝の薬物代謝酵素を阻害するために、リドカインの代謝が遅れると考えられている。

    ジギタリス製剤

    房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロック等が発現することがあるので注意すること。

    ジギタリス、β遮断剤はともに房室結節伝導時間を延長させる。ジギタリス中毒時には特に注意を要する。

    シメチジン

    本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強する可能性があるので注意すること。

    シメチジンが肝血流量を低下させ、また、肝の薬物代謝酵素を阻害することにより、肝での本剤の分解が低下し、血中濃度が上昇すると考えられている。

    クロルプロマジン

    本剤とクロルプロマジンの作用がそれぞれに増強することがある。

    本剤とクロルプロマジンが薬物代謝酵素を競合するために、本剤、クロルプロマジンともに血中濃度が上昇すると考えられている。

    ヒドララジン

    本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強する可能性があるので注意すること。

    ヒドララジンが肝血流量を増加させるためと考えられている。

    非ステロイド性抗炎症剤

    インドメタシン等

    乳児血管腫への影響は不明であるが、本剤の降圧作用が減弱することがある。

    非ステロイド性抗炎症剤は血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害する。

    リファンピシン

    本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱する可能性があるので注意すること。

    リファンピシンが肝酵素を誘導し、本剤の代謝・消失を促進すると考えられている。

    キニジン、プロパフェノン

    本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強する可能性があるので注意すること。

    本剤はチトクロームP450によって代謝をうける。このため、チトクロームP450によって代謝をうける薬剤との間で、血中濃度が影響をうける可能性がある。

    ワルファリン

    ワルファリンの血中濃度が上昇し、作用が増強する可能性があるので注意すること。

    相互作用のメカニズムは解明されていないが、本剤がワルファリンの肝代謝を阻害することが考えられている。

    コレスチラミン

    本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱する可能性があるので注意すること。

    本剤と陰イオン交換樹脂であるコレスチラミンが消化管内で結合し、本剤の吸収が遅延・抑制する可能性がある。

    副腎皮質ホルモン剤

    プレドニゾロン

    副腎皮質ホルモン剤を長期間使用している患者等では、副腎皮質機能抑制が生じる場合がある。このような患者においては、本剤は低血糖のリスクを高める可能性があるので注意すること。

    本剤は低血糖から回復するためのカテコールアミンの作用を抑制する可能性及び低血糖の症状(頻脈、振戦等)をマスクする可能性があると考えられる。

    授乳者(母親)が薬剤を服用していて母乳を与える場合、種類によってはその薬剤が母乳へ移行し、患者が服用したヘマンジオルシロップと相互作用を起こして効果が増減したり副作用を増強したりする可能性があることを伝えてください。

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