脇の多汗症には、様々な治療法があるので、
皮膚科医と相談して、
自分の症状やライフスタイルに合った方法を
見つけましょう。
治療を続けることで、過剰な発汗を改善・抑制し、
脇汗による日常生活への支障をなくすことを
目指す治療法です。
暑い日や運動をした時は、制汗剤や脇汗対策インナーなど
での一般的な対策も必要です。
汗腺に作用し交感神経から伝達される汗を出す信号をブロックして、過剰な発汗を抑えます。
現在、お薬には、シートタイプとゲルタイプの形状があります。
1~2か月に1回※ほどの通院頻度で、保険が適用されて3割負担の場合は、診察代とお薬代はひと月あたり2,000~3,000円程度です。
※症状や治療方針、経過によって変わりますので、通院頻度については医師にご確認ください。
汗腺(汗管)を物理的に閉じて、発汗を抑えます。
剤形は溶液タイプ、クリーム、軟膏があります。効果が出るまで毎日、就寝前に両脇に塗ります。自費のため、施設により費用は異なります。
抗コリン薬などが用いられます。塗り薬や注射薬よりも、
広い範囲に効果を発揮します。
※塗り薬や注射薬で効果が見られない場合や、実施できない場合に試みてよい治療と位置づけられています。
症状に応じて頓服で服用します。服用期間は症状によって異なります。他の治療と組み合わせて実施される場合があります。
汗腺を凝固したり、交感神経を切断して、
脇汗を止めることを目指す治療法です。
体への負担が比較的大きいため、
医師とよく相談して検討しましょう。
脇に薬を注射して、交感神経から伝達される汗を出す信号をブロックして、
過剰な発汗を抑えます。
効果を持続させるために、年1~2回を目安に注射を受ける必要があります※。
保険が適用されて3割負担の場合、1回の薬剤費(両脇)は、20,000円前後です。保険適用は診察による判断となります。
マイクロ波を照射して汗腺を焼き、凝固する治療法です。
保険診療外であり、医師の説明をよく聞いた上で選択します。
1回で長期間の効果が期待できます。自費のため、施設により費用は異なります。
「ETS」と呼ばれる、交感神経を切断する手術が一般的です。
代償性発汗(脇以外からの汗が増える)を高確率で発症するため、
多汗症の症状が重く、他の方法では治療効果が見られない時に選択されます。
施設により、日帰り手術の場合と入院する場合があります。保険適用の有無は診察による判断となります。
脇汗の対処に使用される製品は、主に「医薬品」
「医薬部外品」「化粧品」に分類され、
その定義は法律で定められています。
ドラッグストアで購入できる
制汗剤(汗を防ぐ製品)や
デオドラント(臭いを防ぐ製品)は、
「医薬部外品」に該当し、病院で処方される薬は
「医薬品」に該当します。
医療用医薬品 | |
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目的 | 発汗を抑える |
有効成分 | 厚生労働省が医薬品として認可 |
医薬部外品 | 化粧品 | |
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製品の 一例 |
制汗剤(スプレーや ロールオンタイプ)など |
汗拭きシートなど |
目的 | 発汗を防ぐ | 清潔にする |
有効成分 | 厚生労働省が 医薬部外品として認可 |
なし |
脇の多汗症は皮膚科で診断できます。
問診のみで診断されることが多いので、気軽に相談してください。
また、保険適用のある塗り薬(抗コリン外用薬)など治療の選択肢が増えているので、皮膚科医と相談して、自分の症状やライフスタイルに合った方法を見つけましょう。