あなたのその悩みは、単なる「汗っかき(体質)」ではなく、「原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)」という疾患の可能性があります。
日本国内には約20人に1人、およそ260万人以上の患者さんがいると推測されており、決して珍しい病気ではありません。
汗の量に関係なく、日常生活に支障があると感じている場合は治療を受けられる可能性があります。
皮膚科では、少しの脇汗で受診する方も珍しくありませんので、「汗ジミや汚れが気になって着る服の色が限定される」「脇汗が気になって他人との会話に集中できない」などの悩みがある方は、まずは気軽に相談してみてください。
多汗症とワキガの大きな違いは、独特な鼻をつくようなニオイがあるかどうかです。脇汗が多いからといって、ワキガとは限りません。
ワキガは“アポクリン汗腺”からたんぱく質や脂肪が含まれる汗が出て、菌などと結びつくことでニオイを発します。
一方、多汗症は“エクリン汗腺”から無臭の汗が大量に出て、汗ジミなど日常生活に支障をきたします。
それはエクリン汗臭というものかもしれません。
多汗症による汗は約99%が水分であるため、基本的にニオイは発生しにくいと思われます。
ただし、皮膚の表面で皮脂などと混ざると菌が繁殖しやすくなり、汗の成分などが分解されてニオイが発生する可能性があります。
脇汗治療は、美容皮膚科だけでなく、いつもの皮膚科でも受けられます。
病院の受付または問診票で『脇汗に困っている』とお伝えください。ニキビなど、他の病気で受診した際に、医師や看護師に直接伝えてもOKです。
続けることで効果を発揮する治療もあるので、自宅や職場・学校などから通いやすい皮膚科を探しましょう。
下記の病院検索サイトでは、平日夜・土日に受診できる病院や女性医師のいる病院を探すこともできます。

診察では、通常は脇汗の程度や、日常生活にどのくらい支障があるのかを聞かれ、問診のみで診断されます。多くの場合、視診や検査はしません。※
皮膚科では、少しの脇汗で受診する方も珍しくありません。「汗ジミが気になって服を選ぶ際に制限がある」「仕事や勉強に集中できない」など、脇汗による困りごとをお聞かせください。
脇を見せたくない場合は、脇を見せたくないことを医師や看護師に相談してみてください。
汗の量が多くても少なくても、汗で困っていることがあるなら、病院で治療できる可能性があります。
まず日常生活の中で、本当は「困ったな」「イヤだな」と感じていることを、医師に相談してみませんか。

べたつきやシミがイヤで好きな服を選べない。

脇汗が気になって、仕事や勉強に集中できない。

電車のつり革を持つ時など脇の汗ジミが気になる。

季節に関係なく、制汗剤が手放せない。
脇汗に悩む人の約95%が、日常生活に支障があると回答しています。

医学的にはまだ解明されていませんが、遺伝子的要因があることが示唆されています。
家族にも同じような症状がある場合は、医師に相談する際に伝えてください。
脇汗の治療は、美容クリニックなどの「自費診療」だけではありません。 近年、塗り薬が登場し、いつもの皮膚科で、保険適用の治療が受けられるようになっています。
保険が適用されるのは、厚生労働省に承認された「医療用医薬品」だからです。 発汗を防ぐ市販品(医薬部外品)とは異なり、汗を出す指令をブロックして、発汗そのものをコントロールする「治療」を目的として処方されます。
お薬代の目安は、3割負担なら1日あたり約70〜100円。ひと月分まとめて処方された場合、2,000〜3,000円程度です※。
お住まいの自治体による医療費助成※1や、通学中の学校が設けている医療費補助制度※2が適用になることもあります。 詳しくは、自治体または通学中の学校の窓口にお問い合わせください。
2020年以降、脇汗治療のファーストステップは「塗り薬」となっています。
体への負担が少なく、低年齢から使えるお薬があります。
実は、体温調節などのために「適度な汗」は体に必要です。 そのため、汗を完全に止めることを目指すのではなく、過剰な発汗をコントロールして、日常生活での「困りごと」をなくすことを目指します。

保険適用のある塗り薬には現在、シートタイプとゲルタイプがあります。
シートタイプは広範囲に塗りやすく、1回1袋使い切りのため塗り忘れ防止や持ち運びにも適しています。
ゲルタイプは脇に直接つけるため、手を汚さず塗ることができます。
どちらもお薬の作用は同じです。毎日続けやすいタイプを選びましょう。
通院頻度は、1~3ヵ月に1回※ほどです。
保険適用の塗り薬の場合、まずは1ヵ月間を目安に継続してみましょう。
手術や注射による治療をしなくても、塗り薬の処方は可能です。
医師・薬剤師の指示に従って使用しましょう。
保険適用の塗り薬の場合は、脇以外の部位に使用しないでください。また、薬がついた手で目を触らないようにしてください。
気になることがあれば、医師・薬剤師に相談しましょう。
「いろいろ試しても脇汗が止まらない」のは、あなたのせいではありません。
市販の制汗剤と、病院で処方される脇汗治療薬は、その「目的」と「働き」が異なります。
| 市販の 制汗剤 |
病院の 脇汗治療薬 |
|
|---|---|---|
| 目的 | 発汗を防ぐ (作用がゆるやか) |
過剰な発汗を 抑える |
| 働き | 汗の出口を塞ぐ、 殺菌する |
神経に働きかけ、 汗を出す指令を 止める |
| タイプ | 制汗スプレーや ロールオン タイプなど |
シートタイプ、 ゲルタイプ |
病院の脇汗治療薬は、汗を出す指令をブロックすることで、発汗そのものをコントロールすることを目指します。
これらは、実際の患者さんで効き目や安全性を確認した上で承認されたお薬です。
使い続けることで、「好きな服を選べるようになった」「脇汗のニオイが気にならなくなった」など、生活の困りごとが減り、よい状態を保つことが期待できます。