マルホでは適正使用推進のため、弊社製造販売承認品目の安全性情報を公開しています。公開情報について正しくご理解いただくことを目的に、薬事規制の場などでよく用いる用語や資料中に登場する用語について取りまとめました。
有害事象
医薬品を使用した患者に発生したあらゆる好ましくない事象のことで、因果関係の有無は問いません。使用中の交通事故によるケガ等も含みます。
副作用
医薬品を使用した患者に生じた有害事象のうち、報告者または企業により医薬品との因果関係が否定できないと判断された事象を指します。「因果関係が否定できない」には、詳細な情報が得られず、因果関係が不明なものも含まれます。
既知・未知
電子添文の「使用上の注意等」(「警告」、「重要な基本的注意」、「相互作用」、「副作用」等)に記載されていないもの、あるいは、記載されていてもその性質または症状の程度、特異性等が記載内容と一致しないもの、「使用上の注意等」に記載されていてもその内容からは予測できない重篤な事象も未知の事象として取り扱います。反対に「使用上の注意等」から予測できる事象は既知として取り扱います。
出典:医薬品等の副作用等の報告について(平成26年10月2日:薬食発1002第20号)
重篤性
重篤性は副作用報告制度を含む薬事規制の場で用いられICH(医薬品規制調和国際会議)の合意による国際的に共通するルールによって定められており、どの疾患や副作用でも同じ重篤性基準が用いられます。
重篤と判断する基準:
(1) 死亡、(2) 死亡のおそれ、(3) 治療のための入院又は入院期間の延長(検査入院は除く)、(4) 永続的又は顕著な障害・機能不全に陥るもの、(5) 先天異常を来したもの、(6) その他の上記に準じて医学的に重篤な状態
- ※重篤とご報告いただいたものに加え、企業で重篤と判断することがあります。
出典:E2B(R3)実装ガイドに対応した市販後副作用等報告及び治験副作用等報告に関するQ&Aの改正について
(令和5年8月10日付 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課、医薬安全対策課連名事務連絡)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則
(昭和36年厚生省令第1号)第228条の20
ICH(医薬品規制調和国際会議)
ICHは、医薬品規制当局と製薬業界の代表者が協働して、医薬品規制に関するガイドラインを科学的・技術的な観点から作成する国際会議です。
出典:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)ウェブサイト
(https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0014.html)
MedDRA(Medical Dictionary for Regulatory Activities)
医療に関する国際間の情報交換を迅速かつ的確に行うために、国際的に共通する用語集としてICHにおいて作成された、症状、徴候、疾患等に対応する医学用語集です。用語集は階層構造になっており、ここではよく使われる器官別大分類(SOC)、基本語(PT)および下層語(LLT)について簡単に説明します。
- ・SOC
- SOCは次の分類でグループ化されています。病因学別(例:感染症および寄生虫)、発現部位別(例:胃腸障害 )、目的別(例:外科および内科処置)
- ・PT
- PTは症状、徴候、疾患、診断、治療上の適応、臨床検査、処置等を表す記述語であり、単一の医学的概念を表すものです。件数表等に記載のある事象名はPTが用いられています。
- ・LLT
- LLTはMedDRAの最下位層を構成する用語で、LLTは一つのPTにリンクしています。LLTはPTに対し、同義語、語彙変化、準同義語、下位概念といった関係性を有しています。
【MedDRAコーディングの例】
報告事象名:紅皮症 SOC:皮膚および皮下組織障害 PT: 全身性剥脱性皮膚炎 LLT:紅皮症
GVP省令
GVP(Good Vigilance Practice)省令は、医薬品等の製造販売後の安全管理の方法を定めたものです。製造販売業者はGVP省令に基づき安全管理情報の収集、検討およびその結果に基づく必要な措置(電子添文の使用上の注意の改訂等)を行うことが求められます。
GPSP省令
GPSP(Good Post-marketing Study Practice)省令は、医薬品等の再審査または再評価の申請資料作成のために実施する製造販売後調査・試験の基準を定めたものです。この省令の目的は、製造販売後調査が適正に実施されるようにし、得られるデータの信頼性を担保することです。
医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)
開発の段階から、市販後に収集される医薬品のリスク(副作用等の情報)を整理し、リスクの最小化を図るための活動や情報収集活動、並びに医療関係者の皆様への追加の情報提供等、医薬品のリスクを低減するための取り組みを検討・実施するために作成されています。医療関係者の皆様と市販後のリスク管理の内容を広く共有することで、市販後の安全対策の一層の充実強化を図ろうとするものです。
市販直後調査
医薬品の製造販売業者が販売を開始した時点から 6か月間、医療機関に対し確実な情報提供、注意喚起等を行い、医薬品の適正な使用に関する理解を促すとともに、当該医薬品の副作用によるものと疑われる症例等の発生を迅速に収集し、必要な安全対策を実施して副作用等の被害を最小限にすることを主な目的とする調査です。
製造販売後調査
製造販売後調査には、一般使用成績調査や特定使用成績調査等があり、医薬品の使用実態下における副作用の発現状況、有効性および安全性に関する情報の検出や確認のために行われる調査です。データベース調査も含まれます。
安全性定期報告
厚生労働大臣より指定された新医療用医薬品が対象で、再審査期間中、指定日より2年間は半年に1回、それ以降は1年に1回、副作用収集や措置の実施状況等について製造販売業者が、厚生労働大臣に報告する制度です。
再審査
承認された新医療用医薬品について、承認後、製造販売業者が実際に医療機関で使用されたデータを集め、一定期間(原則4~12年間)が経過した後に、承認された効能・効果、用法・用量、安全性について、再度確認する制度です。
再審査申請資料概要
新医療用医薬品の再審査申請時に、再審査期間中に収集した安全性や有効性に関する情報および、再審査期間中に実施した製造販売後調査等の結果等が網羅的に記載された申請資料です。再審査結果通知後、PMDAのHPで公開されます。
CCDS (Company Core Data Sheet)
当該医薬品の製造販売承認を初めて取得した企業によって作成される、その医薬品に関する中核となる情報をまとめた文書です。各国の添付文書を作成する際に基準とされ、適応症、効能・効果、用法・用量等の製品情報が記載されています。CCDSの情報に基づいて整理される安全性情報をCCSI(Company Core Safety Information)といいます。発売後も副作用情報等を集積、評価し、最新の情報が反映されるように随時改訂されます。
ファーマコビジランス
WHOでは、ファーマコビジランスを「医薬品の有害な作用または医薬品に関連する諸問題の検出、評価、理解および予防に関する科学と活動」と定義しています。医薬品のベネフィット・リスクバランスを評価し、患者さんの安全を確保するために必要な活動です。
2026年9月作成



