乳児血管腫の薬物療法
- 監修:
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- 地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長 馬場 直子 先生
従来、乳児血管腫の薬物療法では副腎皮質ステロイド*やインターフェロンα*、ビンクリスチン*などが主に使用されていましたが、2008年に非選択的β遮断薬であるプロプラノロールの有効性が報告され1)、2015年に無作為化比較試験で確認されました2)。これらを受け、最近ではプロプラノロールが薬物療法の第1選択となりつつあります3-5)。主な薬物療法とその特徴を下表に示します。
分類 | 薬剤 | 特徴・使用にあたっての注意点 |
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非選択的β遮断薬 | プロプラノロール |
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副腎皮質 ステロイド* |
(内服)プレドニゾロン |
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(局所注射)トリアムシノロン | ||
(外用)クロベタゾールプロピオン酸エステル、ベタメタゾン など | ||
尖圭コンジローマ治療薬、日光角化症治療薬* | (外用)イミキモド |
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抗ウイルス薬* | インターフェロンα |
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- Léauté-Labrèze C. et al. N Engl J Med. 2008 ; 358(24) : 2649-2651
- Léauté-Labrèze C. et al. N Engl J Med. 2015 ; 372(8) : 735-746
- Price CJ. et al. Arch Dermatol. 2011 ; 147 : 1371-1376
- Hoeger PH. et al. Eur J Pediatr. 2015 ; 174 : 855-865
- Holmes W. et al. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2011 ; 64 : e445-451
*承認外
出典:
平成26‐28年度厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)「難治性血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究」班:血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017, 第2版, 2017年3月