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がん性皮膚潰瘍の精神的苦痛・霊的苦痛に対するケアマネジメント


    監修:
    • 昭和大学医学部乳腺外科 教授 中村 清吾 先生

    POINT

    • 身体症状への対処やセルフケアの獲得により、患者の心理社会的側面の回復を図ることができる
    • 患者理解を深め、全体像を踏まえた包括的なケアを行うことが重要

    がん性皮膚潰瘍では、滲出液、出血などの症状だけでなく、身体症状に関連した心理社会的問題が引き起こされます。健康時とは明らかに違う体の変化や病気の進行に直面することで、生きる意味への問いや、希望の喪失、自分の存在自体が脅かされるといったスピリチュアルペインの顕在化が避けられない状態になります。がん性皮膚潰瘍に特化した精神的ケアのエビデンスは少ないですが、個々の患者の経験や意味づけを尊重し、全体像を踏まえた包括的なケアを行うことが精神的支援に有効とされています。

    1. 身体症状への対処

    滲出液の漏れや出血、臭気などの不安から社会的孤立を感じないように、身体症状に対するケアを十分に行い、患者の自尊感情を高められるような関わりが重要です。

    2. セルフケアの獲得

    はじめは医療者主導で専門的な知識や技術を提供しますが、患者の能力に合わせて、段階的にセルフケアを行えるように働きかけます。ケアが大変という思いを抱かせないように、なるべく簡便な方法を指導し、必要時に家族や訪問看護等のサポートを得られるように調整します。

    3. コミュニケーションを通した患者理解

    患者とのコミュニケーションを通して、患者が病気をどのように認知し、受け止め、理解したかを確認し、がん性皮膚潰瘍に対する患者各々の意味づけを理解することで、患者の全体像を把握できます。このようなプロセスから患者自身が大切にしていることや優先度が明らかになり、患者中心のケアにつながります。

    4. 専門家の介入

    強い不安や抑うつを呈している場合などは、精神保健の専門家の介入も検討する必要があります。

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