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ディフェリンの第Ⅲ相長期安全性試験


    試験概要・試験デザイン

    尋常性ざ瘡患者を対象としたディフェリンゲル0.1%の1日1回、12ヵ月間投与の多施設共同オープンラベル長期投与安全性試験

    試験概要

    目的
    尋常性ざ瘡患者に対するディフェリンゲル0.1%の長期投与(最長12ヵ月)における安全性と有効性について検討した。
    対象
    顔面(前額、両頬、頤)に結節/嚢腫が2個以下の12歳以上35歳以下の尋常性ざ瘡患者444例(男性75例、女性369例)
    方法
    ディフェリンゲル0.1%を1日1回就寝前洗顔後、適量を顔面全体に塗布した。
    評価項目

    [主要目的]

    • 安全性:有害事象(副作用)、臨床検査値異常

    [副次的目的]

    • 有効性:皮疹数(総皮疹数、非炎症性皮疹*1数及び炎症性皮疹*2数)とそれぞれの減少率、皮疹数改善度
      1. 非炎症性皮疹;開放面皰、閉鎖面皰
      2. 炎症性皮疹;丘疹、膿疱、結節、嚢腫
    • その他:患者満足度(VAS;ビジュアルアナログスケール)
    期間
    最長12ヵ月間
    解析対象
    安全性評価対象444例、有効性評価対象444例

    試験デザイン

    多施設共同オープンラベル長期安全性試験(38施設)
    記事/インライン画像
    図:塗布期間

    1)副作用[主要目的]

    本試験における副作用は444例中373例(84.0%)に認められた。
    主な副作用は皮膚乾燥268例(60.4%)、皮膚不快感243例(54.7%)、皮膚剥脱164例(36.9%)、紅斑111例(25.0%)等の皮膚症状であったが、これらの多くが投与開始後2週間以内に発現した。投与中止に至った副作用はざ瘡の悪化5例、接触性皮膚炎1例、皮膚乾燥1例、湿疹1例、紅斑1例、皮膚不快感1例、めまい1例が認められた。
    重篤な副作用は認められなかった。

    2)皮疹に対する効果

    皮疹数(総皮疹、非炎症性皮疹及び炎症性皮疹)の減少率

    ディフェリン塗布1週以降、総皮疹、非炎症性皮疹及び炎症性皮疹の数が減少し、最終観察日における減少率(中央値)は、それぞれ77.78%、83.33%及び73.33%であった。

    皮疹数の減少率(中央値)の推移[副次的目的]
    記事/インライン画像
    図:皮疹数の減少率(中央値)の推移
    n 1週後 2週後 4週後 2ヵ月後 3ヵ月後 4ヵ月後 5ヵ月後 6ヵ月後 7ヵ月後 8ヵ月後 9ヵ月後 10ヵ月後 11ヵ月後 12ヵ月後 最終観察日
    総皮疹 443 441 439 432 425 413 413 404 386 382 361 367 358 348 444
    非炎症性皮疹 430 428 426 419 413 401 402 392 376 372 351 357 348 338 431
    炎症性皮疹 437 435 433 427 419 407 407 399 380 376 355 361 352 342 438
    皮疹数(中央値)の推移[副次的目的]
    記事/インライン画像
    図:皮疹数(中央値)の推移

    3)総皮疹数の改善度(試験開始時からの減少率)

    ディフェリン塗布により総皮疹数が50%以上減少(著明改善又は改善)した患者の割合は、3ヵ月後65.4%、6ヵ月後69.8%、9ヵ月後79.2%、12ヵ月後84.5%と増加した。なお、最終観察日では79.1%であった。

    総皮疹数改善度[副次的目的]
    記事/インライン画像
    図:総皮疹数改善度

    4)参考情報:患者満足度(VAS)

    ディフェリン塗布6ヵ月後、12ヵ月後及び最終観察日のVASによる患者満足度(中央値)はそれぞれ74.0mm、81.0mm及び79.0mmであった。塗布6ヵ月後、12ヵ月後及び最終観察日においてVAS75mm以上を記した患者はそれぞれ49.5%、65.5%及び60.5%であった。

    VASによる患者満足度[副次的目的]
    記事/インライン画像
    図:VASによる患者満足度

    VAS(ビジュアルアナログスケール):長さ100mmの線分の一方の端を「満足していない(0mm)」とし、他方の端を「非常に満足(100mm)」とするもの。

    <効能・効果に関連する使用上の注意>(一部抜粋)
    1. 結節及び嚢腫には、他の適切な処置を行うこと。
    <用法・用量に関連する使用上の注意>(一部抜粋)
    1. 治療開始3ヵ月以内に症状の改善が認められない場合には使用を中止すること。
    2. 症状改善により本剤塗布の必要がなくなった場合は、塗布を中止し、漫然と長期にわたって使用しないこと。
    〔使用上の注意〕(一部抜粋)

    1.重要な基本的注意

    1. 過敏症や重度皮膚刺激感が認められた場合は、本剤の使用を中止すること。
    2. 本剤の使用中に皮膚刺激感があらわれることがあるので、使用にあたっては、事前に患者に対し以下の点について指導すること。
      1. 切り傷、すり傷、湿疹のある皮膚への塗布は避けること。
      2. 眼、口唇、鼻翼及び粘膜を避けながら、患部に塗布すること。眼の周囲に使用する場合には眼に入らないように注意すること。万一、眼に入った場合は直ちに水で洗い流すこと。
      3. 日光又は日焼けランプ等による過度の紫外線曝露を避けること。
    3. 本剤の使用中に皮膚乾燥、皮膚不快感、皮膚剥脱、紅斑、そう痒症があらわれることがある。これらは治療開始2週間以内に発生することが多く、通常は軽度で一過性のものであることについて患者に説明すること。なお、本剤の継続使用中に消失又は軽減が認められない場合は、必要に応じて休薬等の適切な処置を行うこと。

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