ディフェリンの薬効薬理
作用機序
アダパレンの作用
アダパレンはレチノイン酸受容体※1(RARγ)に結合し、遺伝子転写促進化を誘導することによりレチノイド様作用を示す。ディフェリンの局所投与により、表皮角化細胞の分化が抑制され、非炎症性皮疹と炎症性皮疹が減少することが考えられる。
非臨床試験
①培養正常ヒト表皮角化細胞の分化抑制作用(in vitro )1)
アダパレンはⅠ型トランスグルタミナーゼ(TGaseⅠ※1)の発現を抑制した(IC50:約0.6nM)。
②面皰減少作用(ライノマウス)2)
表皮面皰数はアダパレン濃度の増加に伴い減少し、ゲル基剤84.6±3.4/cmに対して0.1%では23.2±1.2/cmであり、減少率は73%に達した。
また、表皮厚の増加も観察され、ゲル基剤では16.0±0.52µ mに対して0.1%では44.4±1.47µ mであり、約2.8倍に増加した。
A:ライノマウスでは,毛包上部に角質細胞と皮脂で満たされた卵形の嚢が形成される。この病変は組織学的にはヒトの面皰形成とよく似ている。
B:アダパレンを塗布すると卵形の嚢が平らになってきて,表皮の厚さが増すとともに面皰病変が消失している(塗布開始3週間後)。
試験方法
雌雄ライノマウス(5~6週齢、n=10)の背部皮膚に、アダパレンゲル0.01、0.03、0.1及び0.3%とゲル基剤をそれぞれ50µ Lを1日1回、週5日(連続)の頻度で3週間塗布(単純塗布、塗布面積:約2cm2)し、塗布部位の皮膚生検(直径6mm)を採取し、切片の顕微鏡画像解析を行った。
- 社内資料:表皮トランスグルタミナーゼ発現
- 社内資料:ライノマウスにおける面皰減少作用