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ディフェリンの薬効薬理


    作用機序

    アダパレンの作用

    アダパレンはレチノイン酸受容体※1(RARγ)に結合し、遺伝子転写促進化を誘導することによりレチノイド様作用を示す。ディフェリンの局所投与により、表皮角化細胞の分化が抑制され、非炎症性皮疹と炎症性皮疹が減少することが考えられる。

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    アダパレンの作用

    非臨床試験

    ①培養正常ヒト表皮角化細胞の分化抑制作用(in vitro )1)

    アダパレンはⅠ型トランスグルタミナーゼ(TGaseⅠ※1)の発現を抑制した(IC50:約0.6nM)。

    アダパレンの培養正常ヒト表皮角化細胞のTGaseⅠ発現抑制作用
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    アダパレンの培養正常ヒト表皮角化細胞のTGaseⅠ発現抑制作用

    試験方法

    正常ヒト表皮角化細胞(n=4)を低カルシウム(0.15mM)培養液で増殖させた後、培養液を高カルシウム(1.15mM)培養液に交換してTGaseⅠの発現を誘導した。
    アダパレン及びトレチノインは培養液交換時に添加した。4日後細胞層のTGaseⅠの発現レベルをELISA法で測定し、TGaseⅠ発現の50%阻害濃度(IC50値)を算出した。

    ※1:TGaseⅠ; 表皮角化細胞分化の最終段階で角層細胞の細胞膜直下へのコーニファイド・エンベロープ(cornified envelope)の生成をもたらすタンパク架橋結合を触媒するカルシウム依存性酵素

    ※2:トレチノイン;all-trans-レチノイン酸

    ②面皰減少作用(ライノマウス)2)

    表皮面皰数はアダパレン濃度の増加に伴い減少し、ゲル基剤84.6±3.4/cmに対して0.1%では23.2±1.2/cmであり、減少率は73%に達した。

    ライノマウスにおけるアダパレンゲル0.01~0.3%の面皰減少作用:表皮面皰数
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    ライノマウスにおけるアダパレンゲル0.01~0.3%の面皰減少作用:表皮面皰数

    また、表皮厚の増加も観察され、ゲル基剤では16.0±0.52µ mに対して0.1%では44.4±1.47µ mであり、約2.8倍に増加した。

    ライノマウスにおけるアダパレンゲル0.01~0.3%の面皰減少作用:表皮厚
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    ライノマウスにおけるアダパレンゲル0.01~0.3%の面皰減少作用:表皮厚
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    A

    A:ライノマウスでは,毛包上部に角質細胞と皮脂で満たされた卵形の嚢が形成される。この病変は組織学的にはヒトの面皰形成とよく似ている。

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    B

    B:アダパレンを塗布すると卵形の嚢が平らになってきて,表皮の厚さが増すとともに面皰病変が消失している(塗布開始3週間後)。

    試験方法

    雌雄ライノマウス(5~6週齢、n=10)の背部皮膚に、アダパレンゲル0.01、0.03、0.1及び0.3%とゲル基剤をそれぞれ50µ Lを1日1回、週5日(連続)の頻度で3週間塗布(単純塗布、塗布面積:約2cm2)し、塗布部位の皮膚生検(直径6mm)を採取し、切片の顕微鏡画像解析を行った。

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    マウス
    1. 社内資料:表皮トランスグルタミナーゼ発現
    2. 社内資料:ライノマウスにおける面皰減少作用

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