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ゼビアックスの表在性皮膚感染症患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験


    試験デザイン
    非対照、非盲検、多施設共同試験
    対象

    13歳以上、以下の選択基準に該当する毛包炎および毛瘡患者

    【選択基準】

    発赤※1、腫脹※2および紅色丘疹・膿疱の症状がすべて中等度以上で、評価部位に複数の皮疹を有する患者

    • ※1: 新鮮なもので暗紅色の残存紅斑(Resterythem)を除く
    • ※2: 急性炎症時のもので炎症後の線維化のものを除く
    方法

    ゼビアックスローション2%を1日1回(夜)7日間、すべての皮疹(評価部位以外の皮疹を含む)に適量塗布した。

    有効性および
    安全性解析対象集団

    40例

    評価方法

    評価部位の皮膚所見(発赤、腫脹、紅色丘疹または膿疱)を項目ごとに「0:なし」「1:軽度」「2:中等度」「3:高度」「4:高度から悪化※3」の5段階でスコア化し(表1)、有効性判定基準に従って、スコアの推移から「著効」、「有効」、「やや有効」、「無効」と判定した(表2)。

    表1:毛包炎および毛瘡の皮疹重症度の基準

    所見 スコア 重症度 毛包炎 毛瘡
    発赤 0 なし なし
    1 軽度 わずかに赤みを帯びている わずかに赤みを帯びている
    2 中等度 周囲との色調が明らかに異なり境界鮮明である 周囲との色調が明らかに異なり境界鮮明である
    3 高度 色調が強くなり熱感を伴う 色調が強くなり熱感を伴う
    腫脹 0 なし なし
    1 軽度 わずかに隆起している わずかに隆起している
    2 中等度 明らかに隆起し、周囲との境界が明瞭である 明らかに隆起し、周囲との境界が明瞭である
    3 高度 隆起が著明でやや硬く触れる 隆起が著明でやや硬く触れる
    紅色丘疹・膿疱 0 なし なし
    1 軽度 小型の紅色丘疹・膿疱(2mm以下) 小型の紅色丘疹・膿疱(2mm以下)が少数見られる
    2 中等度 中等度の大きさの紅色丘疹・膿疱(3~4mm) 小型の紅色丘疹・膿疱(2mm以下)が多数見られる
    中等度の大きさの紅色丘疹・膿疱(3~4mm)が少数見られる
    3 高度 やや大型の紅色丘疹・膿疱(5mm以上) やや大型の紅色丘疹・膿疱(5mm以上)が多発している
    • ※3:スコア4は、治療開始日がスコア3で、2回目以降の調査日にスコア3より悪化した場合のみスコア化した
    表2:有効性判定基準
    著効
    • 最終評価日までにすべての項目のスコアが0になった場合
    • 3日後に2項目以上のスコアが2以上改善し、なおかつ、最終評価日の合計スコアが3日後の合計スコアより1以上改善した場合
    有効 最終評価日に2項目以上のスコアが2以上改善した場合
    やや有効 最終評価日に合計スコアが1以上改善した場合
    無効 最終評価日に合計スコアが不変または1以上悪化した場合
    評価項目

    [主要評価項目]
    最終評価時(7日後または中止日までの最終の評価日)の評価部位の皮膚所見スコアから判定された有効率(有効性判定基準で「著効」または「有効」であった被験者の割合)

    [副次評価項目]
    皮膚所見合計スコアおよび皮膚所見各スコアの経時推移、細菌学的検査

    [安全性]
    有害事象、臨床検査値

    解析計画
    主要評価項目に関しては、有効性判定基準のカテゴリーごとに集計し、最終評価時の有効率とその95%信頼区間を算出した。生菌数の推移では、治療開始日にS.aureusまたはS.epidermidis が検出された被験者のうち、最終評価時にも細菌学的検査を実施した被験者および皮疹がすべて消失して細菌学的検査が不可(未実施)であった被験者を対象に集計した。生菌数が検出限界(10cfu/swab)以下または皮疹がすべて消失した被験者を「菌陰性」、生菌数の減少が102cfu/swab以上を「減少」、生菌数の変動が102cfu/swab未満を「不変」、生菌数の増加が102cfu/swab以上を「増加」と定義してそれぞれの被験者数およびその頻度を算出した。

    皮膚所見スコアから判定された有効率(最終評価時):主要評価項目

    最終評価時の有効率は、70.0%(28/40例)であった。

    (n=40)
    著効または有効 著効 有効 やや有効 無効 有効率(95%信頼区間)
    28例(70.0%) 12例(30.0%) 16例(40.0%) 12例(30.0%) 0例(0.0%) 70.0%(53.5~83.4%)

    有効性判定基準のカテゴリーごとに集計し、最終評価時の有効率とその95%信頼区間を算出した。

    S.aureus およびS.epidermidis の生菌数推移:副次評価項目

    治療開始日に分離された菌の検出率は、S.aureus が12.5%(5/40例)、S.epidermidis が55.0%(22/40例)であった。
    生菌数の推移を確認したところ、最終評価時に「菌陰性」となった被験者は、S.aureus で4/5例、S.epidermidis で95.0%(19/20例)であった。

    菌種 菌陰性
    または減少
    菌陰性 減少 不変 増加
    S.aureus(n=5) 5例 4例 1例 0例 0例
    S.epidermidis(n=20) 19例(95.0%) 19例(95.0%) 0例(0.0%) 1例(5.0%) 0例(0.0%)

    治療開始日にS.aureus またはS.epidermidis が検出された被験者のうち、最終評価時にも細菌学的検査を実施した被験者および皮疹がすべて消失して細菌学的検査が不可(未実施)であった被験者を対象に集計した。
    生菌数が検出限界(10cfu/swab)以下または皮疹がすべて消失した被験者を「菌陰性」、生菌数の減少が102cfu/swab以上を「減少」、生菌数の変動が102cfu/swab未満を「不変」、生菌数の増加が102cfu/swab以上を「増加」と定義してそれぞれの被験者数およびその頻度を算出した。

    本試験における副作用

    副作用は、40例中3例(7.5%)に認められた。その内訳は、血中ビリルビン増加1例(2.5%)、乾皮症1例(2.5%)、ほてり1例(2.5%)であった。
    また、本試験では死亡および重篤に至る副作用は認められなかった。

    (MedDRA/J Ver.15.0)

    5. 効能・効果に関連する注意
    結節及び嚢腫には、他の適切な治療を行うこと。

    6. 用法・用量
    本剤の適量を1日1回、患部に塗布する。なお、ざ瘡に対しては洗顔後、患部に塗布する。

    7. 用法・用量に関連する注意
    <表在性皮膚感染症>
    7.1 1週間で効果が認められない場合は使用を中止すること。
    <ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)>
    7.2 4週間で効果が認められない場合は使用を中止すること。
    また、炎症性皮疹が消失した場合には継続使用しないこと。

    8. 重要な基本的注意

    本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめること。

    川島 眞ら:臨床医薬, 31(3), 279(2015)(承認時評価資料)
    〔利益相反〕本試験に関する費用は、マルホ株式会社が負担した。また、論文の著者にはマルホ株式会社の社員を含む。

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