腸管糞線虫症を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験
試験概要
対象
腸管糞線虫症患者50例
投与方法
イベルメクチン約200μg/kgを2週間間隔で2回投与
評価項目
【有効性】
- 主要評価項目:駆虫効果
- イベルメクチン投与28日後(2回目投与2週後)の普通寒天平板培地法による糞便検査において糞線虫(S. stercoralis)の有無を確認して判定
- 副次評価項目:臨床症状の改善、追跡調査
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1) イベルメクチンの各投与2週後の糞線虫症における臨床症状(自覚症状及び他覚所見)の程度を投与前と比較し、総合的に判定
2) イベルメクチン投与4ヵ月後に糞便検査を実施し糞線虫の有無を確認
【安全性】
- 主要評価項目:概括安全度
- イベルメクチン投与開始から28日間に新たに発現したか又は悪化したイベルメクチンとの因果関係が否定できない自覚症状、他覚所見及び臨床検査値異常変動等をもとに判定
- 副次評価項目:有害事象
- イベルメクチン投与開始から28日間に新たに発現したか又は悪化した自覚症状、他覚所見及び臨床検査値異常変動等を集計
駆虫効果(主要評価項目)
イベルメクチン投与28日後(2回目投与2週後)の駆虫率は98.0%(49/50)であった。
副作用
50例中1例(2.0%)に悪心、嘔吐が各1件(各2.0%)、計2件の副作用が認められた。なお、重篤な副作用は認められなかった。
臨床検査値の異常変動は50例中4例(8.0%)にAST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、総ビリルビン値上昇、白血球数減少、リンパ球数増加、単球数減少及び血尿が各1件(各2.0%)、計7件認められた。(承認時)
- 効能・効果に関連する使用上の注意
- 疥癬については、確定診断された患者又はその患者と接触の機会があり、かつ疥癬の症状を呈する者に使用すること。
- 用法・用量
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・腸管糞線虫症
通常、イベルメクチンとして体重1kg当たり約200μgを2週間間隔で2回経口投与する。下記の表に患者体重毎の1回当たりの投与量を示した。ストロメクトール錠3mg(以下、本剤)は水とともに服用する。・疥癬
通常、イベルメクチンとして体重1kg当たり約200μgを1回経口投与する。下記の表に患者体重毎の1回当たりの投与量を示した。本剤は水とともに服用する。 - 用法・用量に関連する使用上の注意(一部抜粋)
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・本剤は水のみで服用すること。本剤は脂溶性物質であり、高脂肪食により血中薬物濃度が上昇するおそれがある。したがって、本剤は空腹時に投与することが望ましい。
・本剤による治療初期にそう痒が一過性に増悪することがある。また、ヒゼンダニの死滅後もアレルギー反応として全身のそう痒が遷延することがある。特徴的な皮疹の発生や感染が認められない場合、又はそう痒が持続しても、特徴的な皮疹の発生や感染が認められない場合には、漫然と再投与しないこと。
・重症型(角化型疥癬等)の場合、本剤の初回投与後、1~2週間以内に検鏡を含めて効果を確認し、2回目の投与を考慮すること。
- 使用上の注意(一部抜粋)
重要な基本的注意 -
・意識障害があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
・糞便内幼虫が陰転しない場合は再投与を考慮すること。
・易感染性患者(HIV感染者やHTLV-1感染者等も含む)では、通常の投与回数以上の投与が必要となることがあり、また、その場合でも治癒に至らないことがあるので注意すること。
・オンコセルカ症又はロア糸状虫症患者では、中枢精神神経系(脳症、頭痛、昏睡、精神状態変化、起立困難、歩行困難、錯乱、嗜眠、痙攣、昏迷等)、筋骨格系(関節痛等)、その他(発熱、結膜出血、眼充血、尿失禁、便失禁、浮腫、呼吸困難、背部痛、頸部痛等の疼痛等)の重大な副作用及びマゾッティ反応が報告されているので、これらの疾患を併発している患者に本剤を投与する場合には十分注意すること。これらの反応は、死んだミクロフィラリアに対するアレルギー性・炎症性反応によると考えられる。
・本剤は爪疥癬には無効であるため、爪疥癬の治療には使用しないこと。
- 高齢者への投与
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・高齢者に対する安全性は確立していない。一般に高齢者では肝、腎、心機能が低下しており、また、合併症を有し、 もしくは他の薬剤を併用している場合が多いので、注意して投与すること。