リネイルゲル10%の国内第Ⅰ相試験(M121101-01)
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等はDIをご参照ください。
本試験には、承認外の情報が含まれていますが、安全性評価情報のため、紹介します。
試験概要
目的
本剤の皮膚安全性を24時間及び48時間密封パッチテストで確認する。
対象
健康成人男性30例
試験デザイン
無塗布及びプラセボ対照、非盲検、皮膚安全性試験(24時間密封パッチテスト、48時間密封パッチテスト)、単施設
方法
各被験者の左右の上背部皮膚の24時間密封パッチテスト及び48時間密封パッチテスト貼付部位にFinn Chamberを用いて、治験薬を各25μL密封貼付した。24時間密封パッチテスト貼付部位は24時間後、48時間密封パッチテスト貼付部位は48時間後に治験薬を除去し、その後皮膚反応を判定した(24時間判定、48時間判定又は72時間判定)。治験薬として、10%、20%注)及び30%注)アセチルシステインゲル剤及びプラセボを用いた。
評価基準
皮膚安全性:皮膚反応(総合判定)、皮膚刺激指数(Stimulation index、以下、SI)
安全性:有害事象、臨床検査値、バイタルサイン
解析計画
皮膚反応について、治験薬及び空チャンバー別に、カテゴリごと及びその合計の例数を求めた。なお、24時間判定、48時間判定又は72時間判定の皮膚反応のうち、最も強いものを皮膚反応(総合判定)とした。
SIについて、治験薬及び空チャンバー別に算出し、評価を行った。
注)20%及び30%アセチルシステインゲルは承認外の規格である。本剤の承認規格は10%である。
皮膚安全性の評価結果
貼付時間 | 治験薬/ 空チャンバー |
皮膚反応※1(総合判定)(N=30) 例数 |
SI※2 | 評価※3 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
- | ± | + | ++ | +++ | ++++ | 計 | ||||
24時間 | 10% | 14 | 13 | 3 | 0 | 0 | 0 | 30 | 31.7 | 要改良品 |
20%注) | 10 | 13 | 7 | 0 | 0 | 0 | 30 | 45.0 | 要改良品 | |
30%注) | 12 | 14 | 4 | 0 | 0 | 0 | 30 | 36.7 | 要改良品 | |
プラセボ | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 安全品 | |
空チャンバー | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 安全品 | |
48時間 | 10% | 13 | 17 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 28.3 | 許容品 |
20%注) | 10 | 19 | 1 | 0 | 0 | 0 | 30 | 35.0 | 要改良品 | |
30%注) | 8 | 21 | 1 | 0 | 0 | 0 | 30 | 38.3 | 要改良品 | |
プラセボ | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 安全品 | |
空チャンバー | 29 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 1.7 | 安全品 |
※1 -:反応なし(評点:0)、±:軽い紅斑(0.5)、+:紅斑(1.0)、 ++:紅斑+浮腫(2.0)、+++:紅斑+浮腫+丘疹, 小水疱(3.0)、++++:大水疱(4.0)
※2 SI:皮膚反応(総合判定)の評点の和/皮膚反応を判定した被験者総数×100
※3 評価:SI<15(安全品)、15≦SI<30(許容品)、30≦SI<60(要改良品)、60≦SI(危険品)
安全性の評価結果
有害事象の発現は、16.7%(5/30例)であった。その内訳は、皮膚炎が13.3%(4/30例)、白血球数減少が3.3%(1/30例)であった。皮膚炎はいずれの被験者もチャンバー貼付部位を含まない局所に発現したため、治験薬とは関連なしと判断された。重症度は軽度であり、無処置で回復した。白血球数減少は、治験薬と関連ありと判断されたが、重症度は軽度であり、無処置で回復した。
- 4. 効能・効果
- 巻き爪矯正の補助
- 6. 用法・用量
- 巻き爪に爪矯正具を装着後、爪甲全体に適量を塗布し、約24時間後に水又は湯で洗い流す。
- 7. 用法・用量に関連する注意
- 本剤は皮膚刺激性を有するため、塗布部周囲の皮膚等に付着しないよう、テープ等を使用し皮膚を保護すること。
社内資料:健康成人を対象とした皮膚安全性試験(承認時評価資料)