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プロトピックの開発の経緯、組成、特徴


    開発の経緯

    プロトピック軟膏の有効成分であるタクロリムスは筑波山麓の土壌から発見されました。まず移植領域の免疫抑制薬として開発された後、アトピー性皮膚炎治療のための外用薬としてプロトピック軟膏が開発されました。1999年に0.1%、2003年に0.03%小児用が国内で発売された後、現在では全世界共通の処方で2014年11月時点で、世界75ヵ国以上で承認又は発売されております。

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    筑波山麓

    組成

    プロトピック軟膏は下記の成分が含有された液滴分散型の軟膏剤です。

    有効成分 タクロリムス水和物
    溶解剤 炭酸プロピレン
    基剤 サラシミツロウ、流動パラフィン、パラフィン、白色ワセリン

    プロトピック軟膏の有効成分であるタクロリムスは油脂性基剤に溶解しにくいため、製剤化には液滴分散法が用いられています。液滴分散法とは、有効成分を溶解させた液滴を基剤中に均一に分散させる方法です。プロトピック軟膏では、炭酸プロピレンを溶解剤として用いています(図1)。液滴分散法を用いることによって、タクロリムスが液滴として高濃度に溶解・凝集されるため、皮膚移行性が高まります。

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    タクロリムス

    液滴分散型の製剤は練り混ぜると均一な液滴が破壊され、液滴同士が合一して大きくなり、基剤中での有効成分の含量均一性が低下します(図2)。

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    液滴分散型

    特徴

    プロトピック軟膏0.1%

    • ステロイド外用薬とは異なる作用機序で抗炎症作用を示す。
    • アトピー性皮膚炎の全身(顔面・頸部、躯幹・四肢)の諸症状(皮疹、そう痒感)に優れた臨床効果を示す1)、2)
    • 本剤を長期間(2年間)使用した試験で、皮膚障害(皮膚萎縮、潮紅、毛細血管拡張等)は認められなかった。
    • 本剤による治療を開始後、高頻度に一過性の皮膚刺激感(灼熱感、ほてり感、疼痛、そう痒感等)が認められる。通常、皮疹の改善とともに発現しなくなるが、ときに使用期間中持続することがある。
    • 承認時までの臨床試験では、成人1,230例中819例(66.6%)に1,230件、臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は熱感545例(44.3%)、疼痛290例(23.6%)、そう痒感117例(9.5%)、毛嚢炎77例(6.3%)、ざ瘡48例(3.9%)、カポジ水痘様発疹症26例(2.1%)、単純疱疹19例(1.5%)であった。市販後の調査では、5,383例中1,637例(30.4%)に2,125件、臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は疼痛750例(13.9%)、熱感637例(11.8%)、そう痒感182例(3.4%)、ざ瘡118例(2.2%)、毛嚢炎71例(1.3%)、カポジ水痘様発疹症65例(1.2%)、単純疱疹62例(1.2%)であった。(再審査結果通知:2010年10月)

    プロトピック軟膏0.03%小児用

    • ステロイド外用薬とは異なる作用機序で抗炎症作用を示す。
    • 小児アトピー性皮膚炎の全身(顔面・頸部、躯幹・四肢)の諸症状(皮疹、そう痒感)に優れた臨床効果を示す3)
    • 本剤による治療を開始後、高頻度に一過性の皮膚刺激感(灼熱感、ほてり感、疼痛、そう痒感等)が認められる。通常、皮疹の改善とともに発現しなくなるが、ときに使用期間中持続することがある。
    • 承認時までの臨床試験では、小児356例中220例(61.8%)に337件、臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は疼痛130例(36.5%)、熱感58例(16.3%)、毛嚢炎30例(8.4%)、そう痒感28例(7.9%)、伝染性膿痂疹18例(5.1%)であった。(承認時:2003年7月)
    1. FK506軟膏研究会:皮膚科紀要 92(3), 277, 1997
    2. FK506軟膏研究会:西日皮膚 59(6), 870, 1997
    3. 大槻 マミ太郎ほか:臨床医薬 19(6), 569, 2003

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