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エムラインStrep Aの開発の経緯・特徴


    開発の経緯

    A群β 溶血連鎖球菌(以下、Strep A)は、上気道炎や化膿性皮膚感染症などの原因菌としてよくみられるグラム陽性菌で、菌の侵入部位や組織によって様々な臨床症状を引き起こします。1)
    日常よくみられる疾患として、急性咽頭炎の他、膿痂疹、せつ・よう、あるいは特殊な病型として猩紅熱があります。
    従来、イムノクロマト法を測定原理とするStrep A抗原の迅速検出キットは、咽頭ぬぐい液を検体とした急性咽頭炎の診断補助に用いられてきました。しかし実臨床では、膿痂疹や、せつ・よう、また、まれではあるものの劇症型溶血連鎖球菌感染症(STSS)などの皮膚あるいは全身感染症も問題とされてきました。ただ、皮膚擦過物を適用検体とした迅速検出キットが存在しないことから、Strep A皮膚感染症を有する患者さんの適切な診断治療、QOL向上に繋がるよう、皮膚擦過物も適用検体とするStrep Aの迅速検出キットを開発しました。
    Strep A抗原キット「エムラインStrep A」は、咽頭ぬぐい液又は皮膚擦過物を検体とし、1試薬1ステップの検体抽出操作で、Strep A抗原を検出することができます。更に本製品は、アデノウイルスキット「エムラインAdeno」と検体抽出液を共通化することにより、1回の検体採取でStrep Aとアデノウイルスを検査・判定することが可能となりました(咽頭ぬぐい液を試料とした場合)。
    急性咽頭炎などの急性気道感染症の多くはウイルスにより引き起こされる病態ですが、厚生労働省の「抗微生物薬適正使用の手引き」2)では、迅速抗原検査等でStrep Aが検出されていない急性咽頭炎に対する抗菌薬の使用は推奨されていません。また、急性咽頭炎診療では、急性上気道閉塞性疾患を見逃さないことと、抗菌薬治療が可能なStrep Aによる咽頭炎と自然治癒するウイルス性咽頭炎とを鑑別して適切にフォローアップすることが重要であるとも明記されています。そのため、1回の検体採取で検査・判定が可能となることは、抗菌薬治療の対象となるStrep Aか、ウイルス感染症かどうか、抗菌薬適正使用の判断に資するとともに、検体採取に伴う患者さんの苦痛軽減も期待できます。

    1. 国立感染症研究所編:A群溶血レンサ球菌(Streptcoccus pyogenes)検査マニュアル
      (劇症型溶血性レンサ球菌感染症起因株を含む),2013
    2. 厚生労働省:抗微生物薬適正使用の手引き 第二版,2019

    特徴

    1.試料(咽頭ぬぐい液)は、アデノウイルスキット「エムラインAdeno」との相互使用が可能です
    エムライン2製品(エムラインStrep A及びエムラインAdeno)は検体抽出液が共通のため、1回の咽頭ぬぐい液検体採取でStrep A及びアデノウイルスの検査・判定ができ、検体採取に伴う患者さんの苦痛軽減と、医療従事者の操作軽減が期待できます。
    2.簡便な操作、1ステップで検体の抽出が可能です
    検体抽出を1試薬1ステップ化することにより、操作性の向上と、試薬調製時の操作ミスの低減が期待できることから、検査時間が短縮され、医療従事者の操作軽減が期待できます。
    3.咽頭ぬぐい液又は皮膚擦過物を検体とした検査が可能です
    咽頭ぬぐい液だけでなく、皮膚擦過物を検体として、Strep A抗原を検出できる検査キットです。急性咽頭炎などのほか、皮膚感染症を呈する患者さんの鑑別診断に貢献します。
    4.咽頭ぬぐい液では全体一致率92.5%、皮膚擦過物では全体一致率99.5%の精度で、Strep A抗原を検出します3)
    分離培養同定法との全体一致率はいずれの検体においても90%超となり、既承認品との全体一致率(咽頭ぬぐい液)も90%超[95.2%(120例/126例)]を示しました。
    1. マルホ株式会社社内資料:相関性試験(体外診断用医薬品製造販売承認申請書資料添付)

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