エピデュオの開発の経緯
エピデュオゲルは、尋常性ざ瘡治療剤のアダパレンと過酸化ベンゾイル(Benzoyl Peroxide;BPO)をそれぞれ承認製剤での濃度を含有する外用配合剤である。アダパレンはナフトエ酸誘導体であり、レチノイド様活性を示す1~5)。一方、BPOは Propionibacterium acnes (P.acnes )や Staphylococcus epidermidis (S.epidermidis )に対する抗菌活性を発揮するとともに角層剥離作用も認められている6~8)。アダパレンとBPOの作用機序は相補的9)であり、かつ1日1回の使用で良好な治療効果と利便性の向上が期待できる。さらに、薬剤耐性菌の報告がなく、耐性菌発生リスクを低減する可能性があり10)、公衆衛生に寄与すると考えられる薬剤である。
エピデュオゲルは2007年9月に欧州で承認されて以来、2016年2月現在、世界60ヵ国で承認されている。海外においてエピデュオゲルがアダパレンとBPOの各単剤より高いベネフィットをもたらすことが証明されていることを踏まえ11、12)、ガルデルマ株式会社は国内の開発に着手した。そして、国内および海外の臨床試験にて有効性が示され、容認可能な安全性プロファイルが認められたことから13~15)、2016年7月に承認を取得した。
- ガルデルマ株式会社 社内資料(細胞核内レチノイン酸受容体結合)
- ガルデルマ株式会社 社内資料(RARサブタイプ別遺伝子転写促進化活性)
- ガルデルマ株式会社 社内資料(RXRα 遺伝子転写促進化活性)
- ガルデルマ株式会社 社内資料(表皮トランスグルタミナーゼ発現)
- ガルデルマ株式会社 社内資料(ライノマウスにおける面皰減少作用)
- Decker LC et al.:Antimicrob Agents Chemother. 33(3),326-330(1989)
- Nakatsuji T et al.:J Invest Dermatol. 129(10),2480-2488(2009)
- Oh CW et al.:J Dermatol. 23(3),169-180(1996)
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- Thiboutot DM et al.:J Am Acad Dermatol. 60(5 Suppl),S1-50(2009)
- Thiboutot DM et al.:J Am Acad Dermatol. 57(5),791-799(2007)
- Gold LS et al.:Cutis. 84(2),110-116(2009)
- ガルデルマ株式会社 社内資料(国内第Ⅲ相比較試験)(承認時評価資料)
- ガルデルマ株式会社 社内資料(国内第Ⅲ相長期投与試験)(承認時評価資料)
- Tan J et al.: J Dermatolog Treat. 22(4),197-205 (2011)