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湿疹・皮膚炎の検査・診断


    接触皮膚炎

    接触皮膚炎の検査・診断1)

    臨床像、病歴から比較的容易に診断が可能です。
    問診を行う際は、症状の出現時期と経過、生活環境、職業、趣味など患者の行動を詳細に聞き取り、原因物質を絞り込んでいきます。

    必要に応じてパッチテスト(貼布試験)により原因物質の特定を行いますが、診断において必須ではありません。
    ウルシオール(ウルシの主成分)、パラフェニレンジアミンなどのような強感作物質のパッチテストは、テスト自体により感作が成立するリスクがあるため、なるべく避けることが推奨されています。

    パッチテスト(貼布試験)2, 3)

    接触皮膚炎の抗原を検索することを目的に、実際に抗原を皮膚に接触させて反応を観察する検査です。
    被験材料を白色ワセリンなどの基剤に混ぜたものをパッチテストユニットやFinn-chamber(アルミ製の受け皿がついたテープ)に塗り、背部や上腕伸側などのはがれにくい健常皮膚部に貼布します。貼布後48時間でパッチテストユニットを除去し、30分~2時間おいてからパッチテストユニットの刺激が治まった時点で判定します。
    紅斑、浮腫、丘疹、びらんなどが認められた場合に陽性と判定します。

    貼布試験
    記事/インライン画像
    貼布試験

    脂漏性皮膚炎

    脂漏性皮膚炎の検査・診断1,2)

    脂漏性皮膚炎におけるマラセチアの鏡検陽性率は年齢、性別、部位により異なりますが、35~90%といわれています。
    両面テープで皮疹部の鱗屑を採取し、メチレンブルー染色を行って鏡検すると円形の酵母形がみられます。

    • 皮疹が腋窩や股部にみられた場合
      体部白癬や皮膚カンジダ症との鑑別診断のため、鱗屑の鏡検を行います。
    • 皮疹が前額部の髪際部などに限局している場合
      尋常性乾癬の初期病変との鑑別が難しいことがあるため、肘や膝などに発疹があらわれないか注意して経過観察を行います。

    その他にはGibertばら色粃糠疹、局面状類乾癬、乳児ではアトピー性皮膚炎との鑑別が重要です。

    1. 落合慈之 監修, 五十嵐敦之 編集:新版 皮膚科疾患ビジュアルブック. 学研メディカル秀潤社, pp29, 38, 2012
    2. 清水宏:あたらしい皮膚科学 第3版. 中山書店, pp81, 125, 2018
    3. 岩月啓氏 監修, 照井正, 石河晃 編集:標準皮膚科学. 医学書院, p55, 2000

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