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デルマクイックHSVの開発の経緯・特徴


    開発の経緯

    単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus、以下、HSV)は、水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus、以下、VZV)と同じくαヘルペスウイルス亜科に分類されるヒトヘルペスウイルスで、HSV感染症は、HSVの感染又は潜伏ウイルスの再活性化により、皮膚や粘膜に皮疹(水疱・膿疱)やびらん・潰瘍を形成する疾患です1,2)
    HSV感染症の病型としては、口唇ヘルペスが最も多く、次いで性器ヘルペス、顔面ヘルペス、カポジ水痘様発疹症、臀部ヘルペスと続き、これらの部位以外に、耳・頭部、躯幹、上肢、下肢などでの発症が報告されています2,3)。HSV感染症は、典型例では臨床所見のみで診断が可能とされていますが、VZV感染症や他の皮膚疾患との鑑別が困難な症例も少なからず存在するため、HSV感染症と他の疾患との鑑別が必要とされています。
    従来、イムノクロマト法を測定原理とするHSV抗原の迅速検出キットは、HSV感染症の多様な発症部位に対して、検体を採取できる部位が限られており、保険適用上、口唇や顔面などで発現した皮疹での使用は認められていませんでした。そのため、マルホ株式会社は、HSV感染症患者さんの適切な診断治療の一助となるよう、検体採取部位を問わない皮膚擦過物[皮疹(水疱・膿疱)の内容物又はびらん・潰瘍のぬぐい液]を適用検体とするHSV抗原の迅速検出キットを開発しました。
    HSVキット「デルマクイックHSV」は、皮疹(水疱・膿疱)の内容物又はびらん・潰瘍のぬぐい液を検体とし、1試薬1ステップの検体抽出操作で、HSV抗原を検出することができます。さらに本製品は、VZV抗原キット「デルマクイックVZV」と検体抽出液を共通化することにより、1回の検体採取でHSVとVZVを検査・判定することが可能となりました。
    HSV感染症とVZV感染症の鑑別診断に苦慮する患者さんに、1回の検体採取で検査・判定が可能になることで、臨床所見を踏まえた総合的な迅速診断に寄与するとともに、検体採取に伴う患者さんの苦痛軽減が期待できます。

    記事/インライン画像
    デルマクイックHSV
    1. 本田まりこ:日本臨牀, 64(3); 306-310, 2006.
    2. 本田まりこ:日本臨牀, 64(3); 95-98, 2006.
    3. 本田まりこ, 新村眞人:小児科診療, 66(増刊); 171-179, 2003.

    特徴

    1. 口唇・性器を含む単純ヘルペス病変からHSV抗原を検出できる検査が可能

      デルマクイックHSVは、口唇や顔面、性器、眼窩部、臀部、腰部などを含む、皮膚や粘膜で発現した皮疹又はびらん・潰瘍から採取した検体で、HSV抗原を検出できる検査キットです。
      皮膚や粘膜に、水疱やびらんといった症状を呈する患者さんの鑑別診断に貢献します。

    2. 試料(検体を抽出液に抽出した液)は、VZV抗原キット「デルマクイックVZV」との相互使用が可能

      デルマクイックHSV及びデルマクイックVZVの検体抽出液は共通試薬のため、皮疹(水疱・膿疱)の内容物又はびらん・潰瘍のぬぐい液といった検体の1回採取で、HSV抗原及びVZV抗原の検査・判定ができ、検体採取に伴う患者さんの苦痛軽減と、医療従事者の操作負担の軽減が期待できます。

    3. リアルタイムPCR法と全体一致率88.4%(検体採取部位を問わず)、既承認品と全体一致率93.0%(性器由来検体)の精度を示した

      検体採取部位を問わず、皮疹(水疱・膿疱)の内容物又はびらん・潰瘍のぬぐい液を用いたリアルタイムPCR法との全体一致率は88.4%(229例/259例)、性器由来検体を用いた既承認品との全体一致率は93.0%(119例/128例)を示しました。

    4. 特別な機器を必要とせず、5~10分で判定

      その場で検査を実施できますので、患者さんと一緒に結果を確認することも可能です。

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