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PIT(Patient Initiated Therapy)導入Q&A|専門医が答える口唇ヘルペス診療の疑問


患者満足度が高まる⁉

PIT導入における疑問を解決!

専門医が答えるQ&A

【監修】

中野皮膚科
クリニック 院長

松尾 光馬 先生

松尾 光馬 先生

“Patient Initiated Therapy(PIT)” は、再発の初期症状(ピリピリ・ムズムズという違和感)の分かる再発性単純疱疹患者さんに事前に処方し、初期症状発現時に患者さんの判断で服用できる治療法です。
口唇ヘルペス患者さんに対するアンケート調査では、PIT処方患者の満足度が高いことが示されていますが、PITの薬剤を処方された経験のある患者さんは限定的です。
本コンテンツでは、PITをこれから実施する先生方がお持ちの疑問に対し、松尾 光馬先生にお答えいただきました。

Question既存治療があるなかでPITを導入する意義は何でしょうか?

Answer

皮疹発現前から治療開始できるため、
早く治したいという患者さんの希望と合致します。

口唇ヘルペス患者さんの多くは再発のために日常生活で我慢を強いられています。口唇ヘルペス症状及び初期症状の自覚がある15~69歳(中学生を除く)の再発性の口唇ヘルペス患者さん1,088名を対象としたインターネットによるアンケート調査の結果では、65.8%の患者さんが「我慢していること、控えていることがある」と回答したという報告があり1)、症状を早く治したいという思いが強いことがうかがえます。

一方で、再発性口唇ヘルペス患者さん(n=279)を対象としたアンケート調査では、約6割の患者さんは再発時に受診できず、症状悪化を経験していると報告されています2)。単純疱疹はピリピリと感じた初期症状の段階からウイルスが急激に増殖を開始するため3)、時間がたってから抗ヘルペスウイルス薬を服用しても効果は得られにくいと考えられます。

PITは、事前に薬を処方してもらい、初期症状を患者さん自身が自覚してからすぐに薬を服用することができる治療法です。QOLが低下し、早期の治療開始が求められる患者さんに対して、PITは有効な手段になると期待されます。

口唇ヘルペスで、医療機関を早く受診したくても受診できず、悪化させてしまった経験はありますか?

  • 調査方法直近1年以内に口唇ヘルペスを3回以上再発し受診又は市販薬の使用を行った患者500名を対象としたインターネット調査
  • 調査期間2020年12月18~23日
  • 調査主体マルホ株式会社(調査会社:株式会社メディカル・インサイト)
ある64% ない36%

患者定量調査. 2020年12月(メディカル・インサイト)

**本調査の対象患者500名のうち本質問に回答した患者の合計

Question患者さんの自己判断に任せて適切に服用できるのでしょうか?

Answer

PIT処方時に資材を用いて説明することで、
適切な服用を促しています。

PITの薬剤処方経験のある患者さん(n=59)を対象としたアンケート調査では、36.6%が「いつも適切なタイミングで服用できている」、51.7%が「ほぼ適切なタイミングで服用できている」と回答しました4)。このことから、患者さんの多くは適切なタイミングで服用ができているのではないかと考えています。

私がPITを患者さんに説明するときは、「早期に内服しないと効果が得られないこと」を資材を用いて簡潔に説明することで、適切なタイミングでの服用を促しています。また、PIT専用携帯ケースをお渡しすることで、薬剤の携帯を促します。携帯ケース用指導箋には二次元コードがついており、内服時の注意点を確認いただくことでも適正使用を促せます。

PITを受けたことがある人に伺います。
PITで処方された薬を適切なタイミングで服用できていると思いますか。当てはまるものをお選びください。

口唇ヘルペスを1年以内に発症かつ現在PITによる治療がメインと回答した患者を対象とした。
いつも適切なタイミングで服用できている:36.6|ほぼ適切なタイミングで服用できている:51.7|PIT処方後はまだ再発しておらず、一度も服用していない:4.5|あまり適切なタイミングで服用できていない:5.8|全く適切なタイミングで服用できていない:1.4

適切なタイミング:水ぶくれができる前に、くちびるやその周囲に軽いかゆみや違和感(ピリピリ、チクチク)が現れる症状が出てから、速やかに服用すること

  • 調査方法口唇ヘルペス症状及び初期症状の自覚がある15~69歳(中学生を除く)の再発性の口唇ヘルペス患者1,096名を対象としたインターネット調査
  • 調査期間2023年6月16~20日
  • 調査主体マルホ株式会社(調査会社:株式会社 博報堂)
PIT専用携帯ケース
アメナリーフPIT専用携帯ケースをご希望の際は、
マルホ製品情報センターもしくはMRにお問い合わせください

写真は携帯ケース専用の指導箋をセットした状態です

Question外用薬に比べて、アメナリーフでPITを実施した場合、
高価な治療になるのではないでしょうか?

Answer

再発性の口唇ヘルペス患者さんを対象とした調査結果からは、PIT処方患者さんの満足度は高いことが示唆されました。
患者さんは次の再発に不安を抱えており、値段に対する価値を決めるのは患者さんと考えています。

再発性口唇ヘルペスは潜伏したウイルスが皮膚から神経に到達して発症するため、皮膚科では内服薬が治療の中心です。

アメナリーフによる PITでは、1回の実施にかかる3割負担の患者さんの薬剤費は2,023.74円と、確かに安価な治療ではありません(2026年4月時点)。一方で、受診した再発性口唇ヘルペス患者さん(n=417)を対象にしたアンケート調査結果では、治療にかけられる金額上限の平均は5,230円と回答しており4)、個人差はありますが、患者さんが考える治療の上限金額の平均値よりも少ない費用でPITを実施できることが示唆されました。

口唇ヘルペス治療にお金をどの程度までならかけられますか。
当てはまるものをお選びください。

口唇ヘルペスを1年以内に発症かつ1年以内に受診した417名を対象とした。
6.9% 10.0% 13.7% 17.4% 24.3% 4.2% 11.1% 12.4% 平均5,230円

「10,000円以上」は加重値をそれぞれ「10,000円~15,000円未満:12500」「15,000円~20,000円未満:17500」「20,000円以上:22500」で平均値を算出

  • 調査方法口唇ヘルペス症状及び初期症状の自覚がある15~69歳(中学生を除く)の再発性の口唇ヘルペス患者1,096名を対象としたインターネット調査
  • 調査期間2023年6月16~20日
  • 調査主体マルホ株式会社(調査会社:株式会社 博報堂)

患者定量調査. 2023年6月(博報堂)

また、PITを実施した患者さん(n=59)を対象にしたアンケート調査では、61.6%の患者さんは「手間がかからない」を理由にPITを選択していることがわかりました4)。PITは、すぐに薬を服用できて、1回の治療で完結することから、治療の負担を減らしたい患者さんのニーズに合った治療法ではないかと考えます。

薬剤により2回服用が必要

現在行っている口唇ヘルペスが発症した際の対処法を選んだ理由は何ですか。
当てはまるものをすべてお選びください。

口唇ヘルペスを1年以内に発症かつ現在PITによる治療がメインと回答した患者を対象とした。
手間がかからない:61.6|早く治る:46.7|ひどくならずに軽症で済む:38.3|信頼できる:32.2|効き目が強い:23.4|人に見られずに治せる:23.3|価格が安い:19.6|手軽に入手できる:18.9|医師に相談できる:18.7|正確な情報がもらえる:15.4|手軽に続けられる:14.1|痕が残らなさそう:13.7|その他
  • 調査方法口唇ヘルペス症状及び初期症状の自覚がある15~69歳(中学生を除く)の再発性の口唇ヘルペス患者1,096名を対象としたインターネット調査
  • 調査期間2023年6月16~20日
  • 調査主体マルホ株式会社(調査会社:株式会社 博報堂)

実際に、PITを実施している患者さん(n=59)を対象としたアンケート調査では、48.8%の患者さんはPITに対して「とても満足している」と回答しました4)

あなたが現在行っている口唇ヘルペスの対処法(PIT)に対して、
どの程度満足していますか。それぞれ当てはまるものをお選びください。

口唇ヘルペスを1年以内に発症かつ現在PITによる治療がメインと回答した患者を対象とした。
とても満足している:48.8|満足している:42.6|やや満足している:5.2|どちらともいえない:3.4
  • 調査方法口唇ヘルペス症状及び初期症状の自覚がある15~69歳(中学生を除く)の再発性の口唇ヘルペス患者1,096名を対象としたインターネット調査
  • 調査期間2023年6月16~20日
  • 調査主体マルホ株式会社(調査会社:株式会社 博報堂)

さらに、PITを実施している患者さん(n=48)を対象としたアンケート調査では、PITを継続する理由として最も多いのが「症状が悪化せずに済んだから」であり5)、早期から治療開始することにより症状の悪化を抑えることが治療継続につながるのではないかと考えられます。

あなたが、PIT処方を継続して受けている理由として、
あてはまるものをすべてお選びください。

口唇ヘルペスを1年以内に発症かつ現在PITによる治療がメインと回答した継続処方患者を対象とした。
症状が悪化せずに済んだから:80.5|症状が治るまでの期間が短く感じたから:70.7|飲み薬をもっておくことで安心できるから:67.9|服用回数が少なく済んだから:66.0|症状がなくても処方してもらえるから:32.3|その他:0
  • 調査方法口唇ヘルペス症状及び初期症状の自覚がある15~69歳(中学生を除く)の再発性の口唇ヘルペス患者1,156名を対象としたインターネット調査
  • 調査期間2024年3月29日~4月3日
  • 調査主体マルホ株式会社(調査会社:株式会社 博報堂)

このように、実際に治療を実施していただくことで、再発症状に悩み次の再発に不安を感じる患者さんがPITの価値を判断することができます。患者満足度を考慮してPITの提案をご検討いただければと思います。

QuestionPITはどのような患者さんに検討すべきでしょうか?
また患者説明はどのように行えばよいでしょうか?

Answer

初期症状が正確に判断できる患者さんはPITの対象となります。
補助資材を活用することで簡潔に紹介できます。

口唇ヘルペス患者さんは年間再発頻度が1回/年であってもQOLが低下することが報告されています6)。そのため、再発回数にかかわらず初期症状が判断できる患者さんに対しては、PITの実施を検討することが望ましいと考えます。

一方で、治療法の説明が負担にならないよう、私は補助資材を用いて患者説明をしています。資材は “マルホツールオーダー”より取り寄せできます。特に早期に内服しないと効果が得られないことを説明することは、適切な治療効果を得るためには必要です。

資材
簡潔に説明するために、
この資材を用いています。
「持ち歩く」「すぐ服用」
「服用後の再受診」がポイントです。

https://www.maruho.co.jp/medical/toolorder/

「製品名を指定する」をご選択いただいた後に「アメナリーフ」をお選びいただくか、
「疾患名を指定する」をご選択いただいた後に「単純疱疹」をお選びください。

まとめ

単純疱疹患者さんは次の再発に対する不安を抱え、早く治したい希望がありつつもタイミングよく受診できないなどの悩みを抱えています。PITはその解決策の1つとして積極的に提案する価値のある治療法です。症状が再発したらすぐ服用することを徹底し、服用後には再受診していただき継続して治療する重要性を患者さんにご理解いただくことが大切です。今までPITを導入していなかった先生方も、患者説明用の資材を活用しながら、患者さんにご提案していただければと思います。

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