アクトシン軟膏3%の薬効薬理
作用機序
- 局所血流改善作用1)
- 血管新生促進作用(血管内皮細胞増殖促進作用2))
- 肉芽形成促進作用(線維芽細胞増殖促進作用3))
- 表皮形成促進作用(ケラチノサイト遊走4)・増殖促進作用3))
アクトシン軟膏3%は、cAMPの誘導体であるブクラデシンナトリウム(Dibutyryl cyclic AMP:DBcAMP)を有効成分とし、細胞内でcAMPとなることで効果をあらわす。
血流改善作用により創傷の局所血流障害を改善し、治癒環境を整える。さらに、血管内皮細胞増殖を促し、肉芽形成に必要となる微小血管新生に直接作用すると同時に、線維芽細胞増殖促進作用により肉芽形成、ケラチノサイト遊走・増殖促進作用により表皮形成を行い、創傷を治癒に導く。
非臨床試験
潰瘍縮小・治癒促進作用
本剤はラット皮膚熱傷潰瘍5)及び加齢・低蛋白食負荷ラット皮膚全層欠損創6)の潰瘍面積の縮小を促進し、治癒日数を短縮した。
局所血流改善作用
本剤塗布によりウサギ耳介の血流が増加した。
血管新生促進作用
本剤はウサギ耳介皮膚欠損創における血管新生を促進する7)。ブクラデシンナトリウムはヒト血管内皮細胞の増殖を促進した2)(in vitro )。
肉芽形成促進作用
ブクラデシンナトリウムはヒト皮膚線維芽細胞増殖を促進し3)、血管新生促進作用と併せて肉芽の増殖を促進した(in vitro )。
表皮形成促進作用
ブクラデシンナトリウムはヒト皮膚ケラチノサイトの増殖3)、遊走4)を促進し、表皮形成を促進した(in vitro )。
- ニプロパッチ(株)社内資料:局所血流改善作用
- 増澤 幹男ら:皮膚科紀要, 85(3), 453(1990)
- Falanga V. et al.:Wounds, 3(2), 70(1991)
- Iwasaki T. et al.:J. Invest. Dermatol., 102(6), 891(1994)
- 笠井 義男ら:薬理と治療, 18(8), 2919(1990)
- 岩崎 利郎ら:皮膚科紀要, 85(1), 161(1990)
- 岡田 忠彦ら:皮膚科紀要, 85(1), 119(1990)