- 医療関係者の皆さま
- 褥瘡辞典 for MEDICAL PROFESSIONAL
- 褥瘡の予防(ケア)
- 圧迫・ずれの排除
- 体圧分散ケア-臥位の場合
褥瘡の予防(ケア)
圧迫・ずれの排除
体圧分散ケア-臥位の場合
- 評価(アセスメント)
体圧分散を考える際は、自力体動ができるか否か以外にも、禁忌な体位の有無や病的骨突出の有無などについてアセスメントし、各患者に適したケア方法を検討します。なお、手術後の安静など一定の体位が長時間に及ぶ場合は特に注意が必要です。 - 体圧分散の姿勢
褥瘡好発部位である仙骨部・大転子部での発生を予防する体位は、原則的に30度側臥位とされています。それは骨突出がなく、広い面積の殿筋で体重を受けられるからです。この体位をとる場合はクッションなどを活用し、できるだけ広い接触面積で姿勢を保持できるようにします。ただし、皮下脂肪および筋肉組織の量は個人差がありますので、30度はあくまでも目安としてください。
- 体位変換のスケジュール
2時間ごとにクッションなどを使用して体位変換を行います。時間ごとに体位を決めてスケジュールを立てておきます。患者および介護者の生活リズムに合わせて計画します。
体位変換スケジュール表

石川治, 田村敦志編集:創傷治療プラクティス:104, 2006
- 背上げ
膝を曲げてから上半身を起こします。上半身を起こす角度を30度以下にすることにより、皮膚のずれや殿部 にかかる力を排除できます。
背抜き
衣類や寝具の小さなしわでも皮膚を圧迫するため、褥瘡の原因となります。
背上げを行った後は背抜きを行い、皮膚のずれや衣類、寝具のしわをなくすよう整えます。
- 仰臥位から側臥位への体位変換
臥位での体圧分散の注意点
- 局所の圧力が高まるため、姿勢保持に円坐を使用しない。
- 原則として麻痺側を下にしない。
- 体位変換後は背抜きや足抜きをし、皮膚のずれや寝具のしわによる圧迫をなくすよう整える。