国内第Ⅲ相試験1)において、1日最大30g(メトロニダゾールとして225mg)を7日間潰瘍部位に塗布後の平均最高血漿中濃度は852ng/mL(範囲:136~2,872ng/mL)であり、トラフ濃度は投与7日目380±281ng/mL及び14日目510±565ng/mLでした。
メトロニダゾール錠250mgを健康成人に1回経口投与後の平均最高血漿中濃度7,248ng/mL(範囲:4,270~13,970ng/mL、外国人によるデータ)2)と比較し、本剤塗布時の濃度は約8.5分の1でした。
メトロニダゾールは嫌気性条件下で原虫または菌体内の酸化還元系によって還元を受け、ニトロソ化合物に変化します。このニトロソ化合物がDNAと結合してDNA合成を阻害し、抗原虫作用及び抗菌作用を示します。また、反応の途中で生成したヒドロキシルアミン付加体がDNA損傷を惹起します1)2)。
本剤の効能・効果は「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」であり、その薬理作用は、皮膚潰瘍部で増殖し臭気物質(プトレシン・カダベリン)を産生するグラム陽性及びグラム陰性嫌気性菌に対する抗菌作用です。
ご参考までに、抗炎症活性に関し、以下の報告があります1)。
参考情報
ロゼックス®ゲルの効能・効果は「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」です。
国内第Ⅲ相試験1)において、皮膚刺激感は発現しておりません。海外第Ⅲ相試験2)においては、2例発現しております。刺激感の原因について、製剤と基剤との比較は行っていないため、有効成分によるものかどうかはわかりかねます。
血液疾患のある患者さん及び脳・脊髄腫瘍の患者さんには慎重投与となります。
併用注意ですので、併用される際には慎重な観察をお願いします。
本記載はフラジール内服錠やアメネトロ点滴静注液の併用注意に倣って記載しています。ロゼックス®ゲルにおいてアルコールとの併用について検討したデータはございません。
どのくらいの時間を空けるのか特にご案内していません。
国内第Ⅲ相試験および海外で実施した臨床試験においては、全身性副作用は認められておりません。
ただし、塗布範囲が広範囲の場合等には、血中濃度の上昇により、経口用または点滴静注用製剤を投与した際に認められるような全身性の副作用が発現するおそれがあります。異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。
参考情報
国内第Ⅲ相試験1)において、1日最大30g(メトロニダゾールとして225mg)を7日間潰瘍部位に塗布後の平均最高血漿中濃度は852ng/mL(範囲:136~2,872ng/mL)であり、トラフ濃度は投与7日目380±281ng/mL及び14日目510±565ng/mLでした。
メトロニダゾール錠250mgを健康成人に1回経口投与後の平均最高血漿中濃度7,248ng/mL(範囲:4,270~13,970ng/mL、外国人によるデータ)2)と比較し、本剤塗布時の濃度は約8.5分の1でした。
ゲルが乾燥して潰瘍部位にガーゼが貼りつき、剥がす際に出血したと考えられます。
外用剤であっても体内へ吸収されるため、注意をお願いします。
In vitro試験において、皮膚の総透過量は塗布量の45%でした。また、国内第Ⅲ相試験1)において、血中への移行が認められています。そのため、フラジール内服錠に基づき設定しています。
脳膿瘍、多発性脳梗塞、感染性海綿静脈洞血栓症、てんかん、細菌性髄膜脳炎、髄膜炎、ラクナ梗塞、認知症、パーキンソン症候群、脊髄麻痺、偏頭痛、虚血性脳卒中等と考えられます。
本剤は「処方箋医薬品」には該当しません。
ただし、「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」は「処方箋医薬品」と同様に医師、薬剤師等によって使用されることを目的として供給されるものであることから、処方箋に基づく薬剤の交付が原則です。
しかしながら、同じ効能の一般用医薬品での対応を行ったにもかかわらず、やむを得ず販売を行わざるを得ない場合においては、次に掲げる事項を遵守した上で、販売することが認められます。
※なお、薬剤師、製造販売業者、製造業者、販売業者、医師等が業務の用に供する目的で購入する場合は、処方箋がなくても「処方箋医薬品」及び「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」を薬局から購入することは可能です。
*『新法第50条』=『薬機法第50条』
【厚生労働省医薬食品局長通知「薬局医薬品の取扱いについて」(薬食発0318第4号:平成26年3月18日付)】
投与期間に関する制限は定められていません。なお、平成28年2月末日までは新医薬品であったため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日)に基づき、投薬は1回14日分を限度とされていました。
光安定性試験において、未包装状態で可視光120万lx・h、近紫外線200W・h・m2、7時間照射したところ、黄色化とわずかな分解物Aの増加がみられましたが、未開封の状態では変化はありませんでした。
しかしながら、光がなくても自然分解し、変色するおそれがあります。
光によりメトロニダゾールが分解され分解物が発生するためです。光がなくても徐々に分解物に分解されます。
参考情報
50kgのヒトに規格値上限(50ppm)の分解物Aを含む製剤30gを塗布した場合、体重あたりの曝露量はWHOで定義されている分解物Aの一日摂取許容量(0.06mg/kg)の267分の1であるため、安全性上大きな問題はないと考えられます。
ロゼックス®ゲル0.75%は、有効成分としてメトロニダゾールを0.75%w/w(7.5mg/g)含有する水性ゲル製剤であり、がん性皮膚潰瘍の嫌気性菌感染に伴う臭気を軽減することを目的に開発されました。
海外では、Bioglan Laboratories Ltd社が、メトロニダゾールを0.75%含有するMetrogel®[Bioglan]を開発し、1994年に英国で「がん性皮膚潰瘍に伴う臭気の軽減」に対する追加効能の承認を取得しました。その後、販売権がガルデルマ社に移管されました。2014年12月時点、本効能の承認を有する国は日本と英国のみです。
本邦では、「がん性皮膚潰瘍に伴う臭気の軽減」の効能・効果を有する医薬品が承認されていなかったことから、メトロニダゾールの経口剤等を用いて調製された外用剤が院内製剤として使用されている状態でした。
2010年に、特定非営利活動法人日本緩和医療学会及び一般社団法人日本緩和医療薬学会から、厚生労働省に設置された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に対して、がん性皮膚潰瘍臭の軽減を目的としたメトロニダゾール外用剤の市販に関する要望書が提出され、「医療上の必要性に係る基準」への妥当性が評価されました。その結果を受けて2010年12月、厚生労働省より、がん性皮膚潰瘍臭の軽減におけるメトロニダゾール外用剤の開発がガルデルマ株式会社に正式に要請されました。
2012年4月より、がん性皮膚潰瘍に伴う臭気を有する患者さんを対象とした国内第Ⅲ相試験を実施し、2014年2月、医薬品製造販売承認申請を行い、2014年12月に国内初の「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」の効能・効果で製造販売承認されました。
添付文書上の用法・用量は「適量」です。処方に関して本数の制限はございません。適用部位面積(潰瘍の大きさ)が理解できるようなレセプトであればよいと考えられます。
しかし、患者さんの状態や塗布面積にもより、また、各基金事務所、審査Dr等の見解の相違により、何gまで認められるとは一概には言い難いのが現状です。
症状及び病巣の広さに応じて適量を使用してください。使用量について明確に規定されていません。
参考情報
弊社では10cm×10cmの潰瘍に約8gの投与量を推奨しております。約8gの目安としては、10cm×10cmの中央にロゼックス®ゲルを渦巻状に約3周、直径4.2cm~4.6cmの円を埋めるように出すと約8gとなります1)。
なお、弊社Webサイトに患者さんの潰瘍サイズを入力し、1日投与回数(1回/日、2回/日)と投与日数を選択・入力するとだけで、ロゼックス®ゲルの1回投与量、1日投与量、処方本数の目安が簡単に分かる投与量カリキュレーターを掲載しています。是非一度ご覧ください。
https://www.maruho.co.jp/medical/ganseihifukaiyou/rozexgel/tool/calculator.html
使用量(厚さ)の目安はありません。
参考情報
弊社では10cm×10cmの潰瘍に約8gの投与量を目安としております。
なお、約8gの目安としては、10cm×10cmの中央にロゼックス®ゲルを渦巻状に約3周、直径4.2cm~4.6cmの円を埋めるように出すと約8gとなり、その際の厚さは0.6cmでした1)。
効果に影響を及ぼす可能性はあります。国内第Ⅲ相試験1)で、非改善であった1例は、ガーゼ交換が1日4回以上でロゼックス®ゲルの接触時間が短かった(1日2回までの塗布とプロトコールで規定したため、それ以上はガーゼのみ貼付した)ため、効果が不十分であったと考えています。
滲出液が多い場合は、ガーゼの上に紙おむつ、尿取りパッド、生理パッドなどを重ね、滲出液を吸収するように対処してください。
使用量が少なすぎるとガーゼが貼り付く可能性があります。ゲルが乾燥して潰瘍部位に貼りつくと、剥がすときに出血する可能性があります。ガーゼの上から、生理食塩水やぬるま湯で湿らせてから剥がすようにしてください。
参考情報
ガーゼの目地が埋まる程度に親水クリームを塗り、その上にロゼックス®ゲルを重ねて患部へ貼付するとガーゼ等交換時の出血リスクを抑えることができます。