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痔の診断と治療

監修: 社会保険中央総合病院 大腸肛門病センター
センター長 佐原 力三郎 先生

痔疾患について

痔核(いぼ痔)~治療について~

① 保存療法

適応:主にGoligher I~II度の内痔核、嵌頓(かんとん)痔核、血栓性外痔核

食生活や排便習慣を改善し、症状を悪化させないようにする生活療法が中心となります。
急性期には安静にし、排便を整えるために緩下剤を使用します。
痛みや出血などの局所の血流障害を伴う痔核には温浴療法が効果的です。
出血、うっ血、腫脹がある時は副腎皮質ステロイドを含む坐剤や軟膏剤を使用します。

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② 硬化療法

注射療法

1.PAO注(フェノールアーモンドオイル注)

適応:主に出血のあるGoligher I~III度の内痔核

痔核に5%フェノールアーモンドオイルを注射して、痔核を硬化・縮小させます。出血を抑える作用があります。
効果は半年から1年程度です。

PAO注

2.ALTA注(硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸水溶液注)

適応:主にGoligher II~IV度の内痔核

痔核に硫酸アルミニウムカリウム水和物(2%)・タンニン酸水溶液を注射して、血流遮断により止血をさせ、無菌性の炎症をもたらし線維化することにより痔核を硬化縮小させます。
ALTA注は4段階注射法で投与する必要があります。

ALTA注
①から④までの各段階注射によって、痔核への血流量を少なくし、痔核本体を硬化、退縮させ、脱出する症状を改善する効果があります。

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③ ゴム輪結紮(けっさつ)療法

適応:主にGoligher II~III度の内痔核

痔核の根元に輪ゴムをかけ締め付けて、痔核を壊死・脱落させます。
1~2週間で痔核は取れ、傷も残りません。
痔核の大きさや硬さ、できた部位によっては処置できない場合があります。

ゴム輪結紮療法 ゴム輪結紮療法1 ゴム輪結紮療法2 ゴム輪結紮療法3
ゴム輪結紮療法1の拡大
 
ゴム輪結紮療法2の拡大
 
ゴム輪結紮療法3の拡大
痔核をつまんで結紮器に引き込む       ゴム輪で縛る

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④ 手術療法

結紮切除術

適応:主にGoligher III~IV度の内痔核、嵌頓痔核、外痔核

肛門外の皮膚を放射状に切開し、痔核を切除し、根部血管を結紮する手術です。
痔核を切除したあとの傷跡をそのまま開放しておく「開放法」と、その後に傷口を縫う「半閉鎖法」「完全閉鎖法」があります。

結紮切除術 結紮切除術1 結紮切除術2 結紮切除術3
結紮切除術1の拡大
 
結紮切除術2の拡大
 
結紮切除術3の拡大
  血管を結紮し、痔核とその後方の皮膚を切除する   痔核を切除した部分を縫う

PPH(procedure for prolapse and hemorrhoids)

適応:主にGoligher III~IV度の内痔核(全周性に近く、脱出している痔核)

自動環状縫合器を用いて下部直腸粘膜を環状に切除して縫合し、内痔核を直腸内に戻す手術です。

PPH(procedure for prolapse and hemorrhoids) PPH PPH術後
 
PPHの拡大
 
PPH術後の拡大
 
      術後  

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インフォームドコンセント

痔核の管理は肛門に負担をかけないようにするために、便通習慣の改善や、便の性状を改善するための食生活の指導、肛門衛生状態の改善などが重要になります。
また、安静・睡眠、入浴・保温などの基本的な健康対策指導も必要となります。
そのうえで症状に応じて保存療法(薬物療法)、外科的療法が行われます。

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専門医への紹介時期

大量出血、貧血、強度の腫脹、激しい痛み、全身症状の悪化がみられる場合は即座に専門医に紹介します。
また、保存療法で軽快しない症例や脱出の著しい症例は、手術の適応となります。

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監修医からのワンポイントアドバイス
痔核は急性期以外はそれほど心配いりませんが、2週間たっても症状が改善しない場合は専門医に紹介しましょう。
また出血では大腸癌、炎症性腸疾患、大腸憩室症との鑑別、脱出では直腸脱、疼痛では肛門周囲膿瘍との鑑別が重要です。
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