医学賞

ガルデルマ・マルホ研究賞

1999年、皮膚科学における若手研究者育成の一助としてガルデルマにより創設された「ガルデルマ賞」は、2017年より「ガルデルマ・マルホ研究賞」と名称を変え、マルホが引き継ぐこととなりました。
公募により集められた皮膚科学に関連する基礎的および臨床的研究論文は、大学教授からなる選考委員会において厳正に審査され、優れた研究論文に対して本賞が授与されるとともに、学会において受賞式・受賞研究の発表会が行われます。
第20回の応募期間は、2019年4月15日~2019年6月30日(当日消印有効)です。

第20回 ガルデルマ・マルホ研究賞 公募要項

エントリーシート ダウンロード

Master of Dermatology (Maruho)

当社は、日本の皮膚科における臨床分野の発展に貢献した皮膚科医師に敬意を表する賞として、「マルホ賞—臨床皮膚科学への大いなる貢献者達へ—」を2010年に創設しましたが、2017年より“Master of Dermatology (Maruho)”と名称を改め、公益社団法人日本皮膚科学会と共同運営しております。
本賞は、日本皮膚科学会が「皮膚科の臨床、皮膚科学研究、人材育成、社会貢献など、日本の皮膚科学の発展に多大なる貢献をした者」をテーマに公募を行います。日本皮膚科学会の学会賞等選考委員会での選考の後、理事会で受賞者が決定され、日本皮膚科学会総会において授賞式と受賞記念講演会が行われる予定です。

令和元年度 Master of Dermatology(Maruho)の受賞者

令和元年度 Master of Dermatology(Maruho)の受賞者は下記のとおりです。

受賞者 所属 受賞テーマ
富田 靖
(とみた やすし)
名古屋大学
名誉教授
「多くの色素異常症の病因遺伝子の解明と病因遺伝子に基づいた
白皮症病型分類の確立に貢献」

(敬称略)

受賞テーマの要約

私が作成した単クロン性抗体によりチロジナーゼ関連蛋白1(TRP1)を発見し、1986年にその遺伝子 - 後に眼皮膚白皮症(OCA)3型の病因遺伝子であることが判明 - のクローニングに成功した。1989年 世界に先駆けて、OCA患者チロジナーゼ遺伝子の病因となる変異を明らかにした。その後150名以上のOCAやHermansky-Pudlak症候群の患者の病因となる遺伝子変異の解明と臨床症状の研究を進め、現在 世界的に通用している病因遺伝子に基づくOCAの病型分類の確立に貢献した。
遺伝性対側性色素異常症(DSH)の4家系、約100人の連鎖解析を進め最終的にDSHの病因遺伝子がADAR1であることを2003年に世界に先駆けて発表した。さらにこの遺伝子の変異部位によっては、重篤な神経症状を合併することを解明した(なおこのDSHの病型は、今ではAicardi-Goutieres症候群の一病型に加えられている)。これらの研究の延長として2013年に網状肢端色素沈着症(APR)の病因遺伝子がADAM10であることも明らかにし、DSHとAPRは別疾患であることを遺伝子レベルで確定した。

平成30年度 Master of Dermatology(Maruho)の受賞者

受賞者 所属 受賞テーマ
古江 増隆
(ふるえ ますたか)
九州大学大学院
医学研究院皮膚科学
Aryl hydrocarbon receptor研究による社会貢献
—油症および炎症性皮膚疾患の治療—

(敬称略)

受賞テーマの要約

皮膚は体表内外の様々な化学物質を感知するAryl hydrocarbon receptor (AHR)を豊富に保有し、ダイオキシン、紫外線クロモフォア、植物由来物質、微生物由来物質などに適応している。我々は、AHRが酸化ストレス⇔抗酸化防御という相反するシグナルの分水嶺として働き、AHRを介したダイオキシンによる酸化ストレスは、抗酸化作用のある植物由来物質(桂皮など)によって相殺され、臨床試験によっても油症患者の症状を軽減させることを明らかにしてきた。
さらに、AHRシグナルが角化バリアを担うフィラグリンやその他の表皮分化蛋白の発現を亢進させる主要な経路であること、そのため抗酸化作用のあるAHRアゴニストは抗炎症作用とバリア回復能を併せ持つことから、炎症性皮膚疾患に対する新規治療薬開発の一領域を担うことを提唱してきた。
私はこれまでAHR研究を皮膚科の重要な研究領域の一つとして位置づけ、環境と生命の相互作用という重要な課題に取り組んできた。

ページトップへ