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第1回:多職種連携の原点は大学院時代


    旭川発の「ケア・カフェ®」の立ち上げに関わり多職種連携を推進(全3回)

    堀籠 淳之 氏
    株式会社中央薬局(北海道旭川市)/代表取締役社長

    第1回:多職種連携の原点は大学院時代

    堀籠氏は、東京薬科大学卒業後、そのまま大学院に進みました。修士課程では半年の大学での講義の後、東京医科大学八王子医療センターで病院実習を行い、その後の臨床薬理学教室の博士課程では、患者による臓器移植に伴う免疫抑制剤の効果の違いを解明すべく、同センター臓器移植専門医らと共同研究を行っていました。その際に、「外科医や看護師、移植コーディネーターなど多様なスタッフと交流ができました」と、堀籠氏は多職種交流の原点を振り返ります。第1回では、薬剤師としての略歴、在宅医療に関わるきっかけなどについて伺います。

    経腸栄養剤のお届け時に薬剤管理の実態に直面し訪問管理指導を提案

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    株式会社中央薬局(北海道旭川市)代表取締役社長 堀籠 淳之 氏

    私は大学院の修了が迫っていた時期、ポスドクとして海外で活動しようと、今振り返ると甘い考えを持っていたのですが、実家の事情などもあり、1999年に旭川に戻ってきました。最初に配属されたのは永山中央薬局で、その店舗にいたカリスマ的薬剤師の方に付いて薬局薬剤師の勉強をしました。入社1年目は永山中央薬局でしたが、その後半からいくつかの店舗を回りました。私の父はもともと市立旭川病院の薬剤師だったのですが、退職して中央薬局本店を開局し、次第に店舗数が増えていきました。

    以前私が常駐していた市立旭川病院前の旭川中央薬局は、私が戻ってきて2年目に院外処方箋が発行されることになり、建設・開局することになりました。その立ち上げに、先輩薬剤師と関わり、引き続きしばらく管理薬剤師として勤務しました。その後、弟が私と同じ研究室から旭川に戻って永山中央薬局に勤務したのち、総合病院前での経験も必要だということで、数年経った2004年に入れ替わりで、私が永山中央薬局に戻りました。そして、あるきっかけにより2008年頃から在宅医療への関りが始まりました。

    そのきっかけとなった患者さんは農家の方で、ご本人はがん末期のため動けない状態でした。そのためご家族がお薬を取りに来ていたのですが、ある時、液体タイプの経腸栄養剤が重いとの訴え、加えて準備に時間がかかることもあって、「できれば届けてほしい」との要望を受けました。主治医からは通院困難な患者さんであることも聞いていたので、届けに行きました。

    患者さん本人は以前、当薬局に通っていた方で、相応の関係性はできていました。処方内容には医療用麻薬も含まれていたので、そのまま置いていくことはできません。そこで声をかけてお邪魔しました。薬の管理状況をみると、医療用麻薬もちゃんと使えていないことが分かりましたので、訪問指導の必要性を感じ、主治医に伝えると、「是非、是非!」と訪問指示を出していただけました。先代から在宅医療に関わる永山地区の地域密着型クリニックで、その方の訪問診療もされていました。

    末期がん患者さんへの対応を機に次第に慢性疾患へと対象が広がる

    その最初のケースがうまく回るようになると、退院患者さんに対する依頼が多くなりました。当初はがん末期のケースが多く、9割方を占めていましたので、緩和ケアへの対応の重要性が高まり、独学で勉強を始めました。私自身は、あまり計画的、戦略的に何かを始めるというタイプとは違い、目の前で何かが起こる、例えば在宅医療への関与が求められ発展していけば、それが社会ニーズだと認識し、取り組んできました。そのため必要性を感じて当時の在宅医学会やHIP(Home Infusion Pharmcy)研究会といった学会等の研修会にも参加し、多くの方とつながるようになりました。

    それがちょうど2010年頃ですが、その頃から関わる先生方も少しずつ増え、がん末期の患者さんだけでなく、認知症なども含め慢性疾患の患者さんなど、その範囲は広がりました。また、いままで外来で来ていた患者さんが、次第に通院困難になるケースも増えて、そういうケースにできるだけ対応してきました。

    また、その当時に、旭川医科大学(緩和ケア診療部)に勤務していた医師・阿部泰之氏との出会いがあり、「地域の各職種の顔が見える関係づくり」を目的に、2012年に旭川発となる「ケア・カフェ®」の立ち上げに関わることになりました。

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