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便に異常がある・・・
便に異常がある・・・
便に異常が続く時は、消化管に何らかの異常があると考えられます。
日頃からご自身の排便状態や、便の性状を観察することは、健康状態を把握する上で非常に重要です。
便秘が続く
便秘が続く

便秘には、機能性便秘と器質性便秘(きしつせいべんぴ)があります。

機能性便秘   腸の運動機能の低下によって起こる便秘です。何らかの病気が原因の場合と、食生活やストレスが原因の場合があります。
 
器質性便秘   腸の内容物が通りにくくなって起こる便秘です。大腸がんや大腸ポリープなどが原因の場合があります。

思わぬ病気が潜んでいる場合もありますので、“たかが便秘”と安易に考えないことが大切です。

下痢が続く
下痢が続く

激しい下痢が起こったり、慢性的な下痢が長期間続くと、脱水状態や栄養失調状態になってしまいます。
また、血性の下痢や粘液が混じった粘血性の下痢は、感染症やがんなどの重い病気が潜んでいる可能性もあります。

急性の下痢
(水様性)
  細菌による感染症や食物アレルギー、食中毒が原因と考えられます。
 
急性の下痢
(血性・粘血性)
  虚血性腸炎(きょけつせいちょうえん)1)、大腸憩室症(だいちょうけいしつしょう)2)などの大腸の病気が考えられます。
 
慢性の下痢
(水様性・泥状)
  過敏性腸症候群や乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)3)、内分泌疾患が考えられます。もちろん、下剤の常用でもなります。
 
慢性の下痢
(粘血性)
  潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)やクローン病4)、大腸がんなどが考えられます。
1)虚血性腸炎:腸の血行不良により、炎症や潰瘍を生じる病気
2)大腸憩室症:大腸憩室(大腸の壁の一部が袋状に外側へ飛び出したもの)が多発する状態
3)乳糖不耐症:牛乳などに含まれる乳糖が分解できず、消化不良や下痢などの症状を呈する病気
4)クローン病:あらゆる消化管に炎症が多発し、びらんや潰瘍を生じる慢性疾患
健康な便、細い便
便が常に細い

慢性の裂肛や、痔瘻(じろう)で肛門が狭くなると、便も細くなります。また、直腸などにポリープやがんができて、便の通り道が狭くなっている可能性もあります。

健康な便、黒い便
便が黒い(タール便)

食道・胃・十二指腸など消化管の上部から出血している可能性があります。これは血液が胃酸や消化酵素の影響で黒く変色し、それが便に混じって排泄されている状態です。
また、鼻から大量に出血し、その血を飲み込んだ場合も黒色の便が出ます。

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