メインコンテンツに移動

皮脂欠乏症の病態


    監修:
    • 東京女子医科大学 名誉教授 川島 眞 先生

    皮脂欠乏症とは

    皮膚表面の皮脂が減少することにより角層の水分量が減少して、乾燥を生じる疾患です。

    発症原因

    年齢
    皮脂分泌量の少ない乳幼児や小児、加齢に伴い皮膚表面の皮脂や角質細胞間脂質・天然保湿因子などが減少する高齢者
    季節
    外気の乾燥、気温低下により発汗量が減少する秋~冬
    生活習慣
    体の洗いすぎや過度な冷暖房の使用
    原疾患
    アトピー性皮膚炎などの乾燥を伴う皮膚疾患、糖尿病などの内臓疾患
    乾燥を悪化させる治療
    血液透析や一部の抗がん剤治療など

    症状

    はじまり
    記事/インライン画像
    はじまり

    皮脂欠乏症の初期では、皮膚表面がざらつき、白い粉をふいたような鱗屑がみられる。また、痒みに敏感になる。

    悪化すると
    記事/インライン画像
    悪化すると

    亀甲状に皮膚がひび割れを生じる上、痒みが強くなる。

    さらに悪化すると
    記事/インライン画像
    さらに悪化すると

    さらに進行して炎症(湿疹)を伴うようになると皮脂欠乏性湿疹に至る。夜眠れないほどの痒みを伴う場合もある。

    写真提供:東京女子医科大学 名誉教授 川島 眞 先生

    好発部位

    下腿や大腿、腰回り、わき腹などに好発します。

    日常生活での注意点

    症状の悪化には、日常生活の習慣も深く関わっています。治療とともに、悪化要因をできるだけ避ける生活を指導することが大切です。

    入浴時のポイント

    • 熱い湯や長時間の入浴を避ける。
    • ナイロンタオルなどで体を強く洗わない。
    • 石鹸などの成分が残らないよう、よく洗い流す。
    記事/インライン画像
    入浴時

    患部を掻かない

    掻くと症状が悪化するため、極力掻かないようにする。
    また、爪は短く切っておく。

    記事/インライン画像
    患部を掻かない

    保湿剤を塗布する

    保湿剤を塗布して皮膚のうるおいを保つ。
    入浴後5分以内の塗布が効果的である。

    記事/インライン画像
    保湿剤

    刺激物は控えめにする

    アルコールや香辛料などの刺激物を摂りすぎると体が温まり、痒みが悪化するため控える。

    記事/インライン画像
    刺激物

    衣類は刺激の少ない素材を選ぶ

    皮膚を刺激すると痒みが強くなるため肌着など直接皮膚にふれる衣類は刺激の少ない素材を選ぶ。

    記事/インライン画像
    衣類

    住環境を整備する

    空気が乾燥すると、皮膚が乾燥して痒みも強くなるため、加湿器などで適度な湿度を保つ。冷暖房の効かせすぎにも注意する。

    記事/インライン画像
    住環境

    治療

    治療の基本は保湿と生活指導です。軽症の頃から保湿剤の塗布で症状の悪化を防ぐとともに生活指導を行い、早期に症状を改善させることが重要です。

    薬物療法

    • 皮脂欠乏性湿疹になった場合
      悪化して炎症(湿疹)を伴う場合は、ステロイド外用薬で炎症を抑えます。
    • 痒みが強い場合
      掻破により症状が悪化するため、痒みが強い場合は、経口の抗ヒスタミン薬を投与します。
    記事/インライン画像
    薬物療法

    お問い合わせ

    お問い合わせの内容ごとに
    専用の窓口を設けております。

    各種お問い合わせ

    Dermado デルマド 皮膚科学領域のお役立ち会員サイト

    医学賞 マルホ研究賞 | Master of Dermatology(Maruho)

    マルホLink

    Web会員サービス

    ページトップへ