帯状疱疹クイズに挑戦! 第3問の解答
第3問
正解
不正解
帯状疱疹について正しいものを1つ選択してください。
正解は
帯状疱疹は痛みを伴う疾患であるため、急性期痛にNSAIDs、帯状疱疹後神経痛にプレガバリンやトラマドール塩酸塩などが使用されますが、これらの薬剤と抗ヘルペスウイルス薬を併用すると薬剤性腎障害の発現リスクが高まる可能性があり、注意が必要です。
- a
年代別の発症率を比べると最も高いのは50歳代である
- 誤り
帯状疱疹は神経節に潜伏感染した水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が、加齢、疲労、ストレスなどに起因する宿主の免疫力低下を背景に再活性化し、発症する疾患です。高齢者に多く、発症率は50歳代から高まり70歳代がピークとなります(図1)1)。
図1:帯状疱疹の総数と発症率 記事/インライン画像 - b
水痘ワクチンの定期接種化により帯状疱疹発症率は低下傾向にある
- 誤り
近年、帯状疱疹の発症率は上昇傾向にあり、1997年と比較して2017年では1.67倍に増加しています(図2)2)。これは、小児に対する水痘ワクチンが定期接種化されたことで、水痘患児との接触機会が減少し、VZVに対する免疫のブースター効果が得られなくなったことが一因といわれています。このような状況から、帯状疱疹患者は今後さらに増加すると考えられています。
図2:帯状疱疹の増加率 記事/インライン画像 - d
経口抗ヘルペスウイルス薬は全て、主に尿中に排泄される腎排泄性薬剤である
- 誤り
帯状疱疹治療には主に経口抗ヘルペスウイルス薬が用いられ、現在、アメナメビル、アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩、ファムシクロビルの4種類があります。アメナメビルを除く3剤は主に尿中に排泄される腎排泄性薬剤です。腎排泄性薬剤は、尿中薬物濃度が溶解度を超えると、腎尿細管内で結晶化して尿細管腔を閉塞するため、急性腎不全などの薬剤性腎障害を起こす可能性があり、クレアチニンクリアランスに基づく減量投与が設定されています。アメナメビルは主に糞中に排泄されるため、腎機能に応じた減量投与の設定はありません。
- 外山望:日本臨床皮膚科医会雑誌29(6):799-804(2012)
- Toyama N, et al. J Dermatol Sci 92(1):89-96(2018)