2.帯状疱疹の検査
- 監修:
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- まりこの皮フ科 院長/東京慈恵会医科大学皮膚科 客員教授 本田 まりこ 先生
帯状疱疹は、典型例では臨床症状から比較的容易に診断できます。しかし、小水疱の発現範囲が限定されていたり、紅斑が帯状に分布していても小水疱の形成が認められない場合など、鑑別に迷うケースもあります。
ここでは、臨床所見だけでは帯状疱疹と他疾患との区別が困難な場合に、鑑別診断として行う検査についてご紹介します。
帯状疱疹の検査は、ウイルスに感染した細胞あるいはウイルスを検出する検査と、血清抗体を測定する検査の2種類に分けられます。
それぞれの検査の特徴について解説します。
ウイルスに感染した細胞あるいはウイルスを検出する検査
概要 | 特徴 | ||
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病理学的検査 | Tzanck試験 |
記事/インライン画像
![]() 写真提供: まりこの皮フ科 院長/東京慈恵会医科大学皮膚科 客員教授 本田 まりこ 先生
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ウイルス抗原検査 | 蛍光抗体法(FA法) |
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![]() 写真提供: まりこの皮フ科 院長/東京慈恵会医科大学皮膚科 客員教授 本田 まりこ 先生
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イムノクロマト法 |
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ウイルスDNA検査 | PCR法 |
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LAMP法 |
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血清抗体を測定する検査
概要 | 特徴 | ||
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抗体価測定※2 | 補体結合反応(CF法) |
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中和反応(NT法) |
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蛍光抗体法(FA法) |
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酵素免疫測定法(EIA法、ELISA法) |
ELISA:enzyme-linked immunosorbent assay |
- ※2 血清中の抗VZV抗体価を測定する方法。急性期(発病後5日以内)と回復期(2週間後)の抗体価を測定し、比較する。急性期に陰性であった抗VZV抗体が、回復期に陽性化(抗体陽転)または急性期から回復期にかけて抗体価が有意に上昇(4倍以上)した場合、皮膚および神経症状は帯状疱疹に伴うものと考えられる。
(2019年3月現在)