褥瘡の概要
褥瘡のメカニズム
発生の要因
●危険因子
厚生労働省から示されている「褥瘡対策に関する診療計画書」に含まれる褥瘡危険因子評価表の6項目が代表的な褥瘡発生の危険因子です。
褥瘡発生の危険因子
基本的動作能力 | ベッド上:自力で体位変換ができない。 車いす上:坐位姿勢が保てない、除圧ができない。 |
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病的骨突出 | 筋肉・皮下組織が廃用性萎縮などにより減少し、骨が突出している。 (突出しやすい部位は下段「好発部位」参照) |
関節拘縮 | 関節可動域制限により体動が困難である。 |
栄養低下状態 | 低栄養による衰弱のため疾病に罹患しやすい状態である。 |
皮膚の浸潤 | 多汗、尿・便失禁のため皮膚が脆弱な状態になっている。 |
浮腫 | 皮膚のバリア機能が低下し、外力による損傷を受けやすい。 |
厚生労働省:褥瘡に関する診療計画書「褥瘡危険因子評価表」より引用
●好発部位
褥瘡は骨が突出し、体圧の集中する部位に多く発生します。
仰臥位で最も多いのは仙骨部で、次いで後頭部、踵骨部です。側臥位では腸骨稜部、大転子部、外果部など、坐位では尾骨部、坐骨部などに多く発生します。
体位別 褥瘡の好発部位
厚生省老人保健福祉局老人保健課監修:褥瘡の予防・治療ガイドライン:8, 1998より一部改変