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がん性皮膚潰瘍マネジメントの現場から-施設インタビュー-:CASE3.江南厚生病院緩和ケア病棟(愛知県江南市) 第2回:看護師の目線から


    がんの進行に伴い壊死、自壊していく皮膚潰瘍に
    全人的苦痛の緩和という視点からチーム一丸で対応

    施設データ

    診療科・部門
    緩和ケア病棟
    チーム体制
    医師(緩和ケア内科医、内科医・外科医・産婦人科医・耳鼻咽喉科医・歯科口腔外科医などの治療科医師)、がん看護専門看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師、がん性疼痛看護認定看護師、薬剤師など
    記事/インライン画像
    祖父江正代氏

    祖父江 正代 氏
    江南厚生病院 緩和ケア病棟

    【略歴】

    1997年
    日本看護協会 認定看護師教育課程 皮膚・排泄ケア(旧WOC看護)コース修了
    1997年
    岐阜県総合医療センター(旧 岐阜県立岐阜病院) 勤務
    1997年
    日本看護協会 皮膚・排泄ケア(旧WOC看護)認定看護師 資格取得
    2007年
    名古屋大学大学院医学系研究科 博士前期課程修了
    2007年
    JA愛知厚生連 江南厚生病院(旧 昭和病院) 勤務
    2008年
    日本看護協会 がん看護専門看護師 資格取得

    緩和ケア病棟におけるがん性皮膚潰瘍ケアの看護体制

    緩和ケア病棟におけるがん性皮膚潰瘍ケアの看護体制を教えて下さい。

    患者さんが緩和ケア病棟に入院されてきた際、がん性皮膚潰瘍を有する場合には、早い段階で、必ず1回は、私ががん看護専門看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師として、病棟看護師と一緒に患者さんのケアに入り、臭いや痛み、滲出液、出血などの問題がないかどうかを評価します。

    ただし、緩和ケア病棟に入院する時点で、院内他科から転入の患者さんの場合は主治医と病棟担当の皮膚・排泄ケア認定看護師が、他院紹介の患者さんであれば前医が、がん性皮膚潰瘍のケアの方向性をすでに決めており、ケアが実践されています。したがって、緩和ケア病棟はそれを引き継ぐかたちになるので、患者さんががん性皮膚潰瘍と上手くつきあわれていて、問題がない場合もあります。そのような患者さんに関しては、基本的に病棟看護師が自分たちで考えながらケアを進めていき、何か問題が生じた時に私に相談があります。一方、ケア中に痛みがあったり、滲出液や臭いの問題がある患者さんの場合は、しばらくの間、私も病棟看護師と一緒に創部をみながらフォローすることがあります。

    緩和ケア病棟であらためて評価する必要性はありますか。

    がん性皮膚潰瘍による臭いのせいで、患者さんが不快になられたり、吐き気や食欲低下を招いたりすることがあるため、臭いのケアはとても大切です。緩和ケア病棟に来られる前から、臭いに対してロゼックスゲルを使用している患者さんはいますが、ガーゼ等交換時の出血予防として使用している親水クリームの量が多く、ロゼックスゲルの量が少なすぎて、せっかくケアしているのに効果が得られていないケースもあります。こうしたことから、緩和ケア病棟でも、がん性皮膚潰瘍の状態と症状、及びそれらに対するケアを評価する必要性があると考えています。また、がんの進行とともに、創の増大や腫瘍の崩壊など、創の変化が起こりますので、患者さんの病状の変化に合わせて創部も評価する必要があります。

    記事/インライン画像
    インタビューに応じる祖父江正代氏

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