酒さの治療
尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023
酒さの病型別の治療
病型 | 外用療法 | 内服療法 | 理学療法・外科的治療 | |||
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推奨度 | 治療薬 | 推奨度 | 治療薬 | 推奨度 | 治療方法 | |
紅斑毛細血管拡張型酒さ (第1度酒さ) |
C1 |
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C1 |
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C2 |
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丘疹膿疱型酒さ (第2度酒さ) |
A |
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C1 |
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C1 |
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C2 |
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C2 |
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C2 |
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瘤腫型酒さ・鼻瘤 (第3度酒さ) |
C2 |
|
*酒さに対して国内未承認
眼型(眼合併症)酒さの眼科的治療には言及しないが、併存する皮膚症状に関しては上記に従う。
©日本皮膚科学会
- A:
- 行うよう強く推奨する
- A*:
- 行うよう推奨する(Aに相当するも副作用などを考慮)
- B:
- 行うよう推奨する
- C1:
- 選択肢の一つとして推奨する
- C2:
- 十分な根拠がないので(現時点では)推奨しない
- D:
- 行わないよう推奨する
日本皮膚科学会:尋常性ざ瘡・酒皶治療ガイドライン2023.日皮会誌,133(3),407-450,2023
Clinical Question のまとめ 2023
紅斑毛細血管拡張型 | CQ S1 | 紅斑毛細血管拡張型酒さ(第1度酒さ)に有効な治療は何か? | |||
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レーザー・光* | C1 | 紅斑毛細血管拡張型酒さに、パルス色素レーザー(595nm)*,Nd:YAG レーザー(1,064nm,ロングパルス)*,intense pulsed light* を選択肢の一つとして推奨する。ただし、各種機器の特性を十分に理解した上で行うことが望まれる。 | |||
外用薬 | C2 | 本邦の薬剤適応承認状況を鑑み、紅斑毛細血管拡張型酒さの患者に一様に推奨できる外用薬はない。 | |||
内服薬(漢方*・その他) | C2 | 紅斑毛細血管拡張型酒さの患者を対象とした内服治療の有効性を検証する比較試験は漢方*を含めて行われていないため、紅斑毛細血管拡張型酒さの患者に一様に推奨できる内服薬はない。 | |||
丘疹膿疱型 | CQ S2 | 丘疹膿疱型酒さ(第2度酒さ)に有効な治療は何か? | |||
レーザー* | C2 | 丘疹膿疱型酒さに対するレーザー治療*を含む理学療法の有効性を検証する比較試験等は行われておらず、一様に推奨できるレーザー治療*はない。 | |||
外用薬(メトロニダゾール) | A | 丘疹膿疱型酒さに、0.75%メトロニダゾールゲルの外用治療を強く推奨する。 | |||
外用薬(アゼライン酸*) | C1 | アゼライン酸外用*は本邦での丘疹膿疱型酒さに対するエビデンスが乏しいので、選択肢の一つとして推奨する。 | |||
外用薬(イオウカンフルローション・その他) | C2 | 本邦での臨床試験がないことや適応承認状況を鑑み、本邦の丘疹膿疱型酒さ患者に一様に推奨できるその他の外用薬はない。 | |||
内服薬(ドキシサイクリン*、ミノサイクリン*、テトラサイクリン*) | C1 | 丘疹膿疱型酒さに対するドキシサイクリン*、ミノサイクリン*、テトラサイクリン*の内服療法は、本邦でのエビデンスが乏しいので、選択肢の一つとして推奨する。 | |||
内服薬(漢方*、イベルメクチン*、メトロニダゾール*) | C2 | 漢方*や、毛包虫が検出された場合のイベルメクチン*、メトロニダゾール*の内服については、ガイドラインとして推奨できるエビデンスはない。 | |||
瘤腫型・鼻瘤 | CQ S3 | 瘤腫型酒さ・鼻瘤(第3度酒さ)に有効な治療法は何か? | C2 | 瘤腫型酒さ・鼻瘤に外用療法、内服療法*、外科的治療*、レーザー治療*などを行ってもよいが、推奨はしない、ただし、個々の患者に対して、これらの治療の一部または集学的な治療を考慮することが望まれる。 | |
スキンケア | CQ S4 | 酒さにスキンケアは有効か? | C1 | 酒さに、適切な遮光と、低刺激性の洗顔料や保湿剤の適切な使用についての指導を選択肢の一つとして推奨する。 |
*酒さに対して国内未承認
©日本皮膚科学会
- A:
- 行うよう強く推奨する
- A*:
- 行うよう推奨する(Aに相当するも副作用などを考慮)
- B:
- 行うよう推奨する
- C1:
- 選択肢の一つとして推奨する
- C2:
- 十分な根拠がないので(現時点では)推奨しない
- D:
- 行わないよう推奨する
日本皮膚科学会:尋常性ざ瘡・酒皶治療ガイドライン2023.日皮会誌,133(3),407-450,2023