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薬局経営者に聞く:未病・予防含む総合ヘルスケアビジネス構築へ(1/4)


2019年6月、三津原庸介氏は日本調剤の社長に就任しました。その半年後には中国で新型コロナ感染症が報告され、その後、わが国にも感染が拡大したため、社長在任の多くの時間を新型コロナと向き合ってきました。
三津原氏は、コロナ禍にあっても「かかりつけ薬剤師」を中心として、地域に根付いた薬局作りを進めてきたと振り返ります。その路線の延長線上で、現在、調剤に加え未病・予防領域を含む総合ヘルスケアビジネスの構築に向けて邁進していると話します。マイナ保険証の持参率が他社に比べ抜きんでて高いほか、オンライン服薬指導にも積極的に取り組む姿勢を「弊社の味付け」と自ら評し、その味付けこそが事業の深掘りに結び付いていると強調しました。

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日本調剤株式会社(東京都)代表取締役社長 三津原 庸介氏
日本調剤株式会社(東京都)
代表取締役社長 三津原 庸介氏

マイナ保険証持参率アップに全社で取り組む

社長に就任し、4年以上の歳月が流れました。この間、最も注力されてきたことをお聞かせください。

【三津原】就任が2019年6月でしたから、約7カ月後から国内で新型コロナ感染症が拡大しはじめました。世界が初めて経験するコロナ禍の中で全従業員、特に薬局現場を支えるスタッフが一丸となり頑張ってくれました。今、思い起こしますと、新卒薬剤師を現場に配属させるかどうかについての、議論さえ持ち上がっていました。確かに、他の薬局チェーンでは配属を遅らせたという情報がありましたが、当時、感染の危険を顧みず現場で働き続ける従業員がいたのですから、新卒だけ特別扱いはできないという判断から、予定通り配属しました。その後は、ご存じのように他社さんも含めて薬局は新型コロナ感染予防の最前線の一翼を担い、弊社でも全従業員が踏ん張り続け、混乱期を乗り切ることができました。

コロナ禍によって、国が進めようとした「かかりつけ薬剤師」の進捗スピードは抑えられた傾向があったかもしれませんが、弊社ではコロナ禍においても「かかりつけ薬剤師」を中心として地域に根付いた薬局作りを進めました。併せて、オンライン服薬指導にも、積極的に取り組んできました。2022年12月は従来にない申し込みが殺到しまして、人員を社内から集めて対応した時期もありました。コロナ禍という混迷期でも足元を固めつつ、新しいことにチャレンジした4年間でした。

オンライン服薬指導の導入は、もっと先のことだと思われていましたが、コロナ禍によって一気に前倒しされました。

【三津原】大変でしたが、手探り状態で進めざるを得ませんでした。特に2022年の年末から2023年の年始にかけては、かなり大変でした。発熱外来を実施している病院に患者さんが押し掛け、隣接する弊社の薬局に患者さんが集中する事態となりました。年末年始でしたので人員の手当てが追い付かず、関東地区の薬局から緊急招集して対応しました。
混乱の要因は、オンライン服薬指導の業務フローが未確立であった時期に、需要が急増したことでした。しかしながら、万全の受入態勢ではなかったにもかかわらず現場が頑張ったことで、患者さんの満足度が高いことが分かり、胸を撫でおろしました。そもそもオンライン服薬指導という仕組みのあることを、多くの国民は知りませんから、「こんな便利な方法があるのだ」と驚かれたことも一因だったと思いますが、何より従業員が一丸となって取り組んでくれたお陰だと思っています。

オンライン服薬指導と共にマイナ保険証の持参率も、貴社は飛びぬけた高さを維持しています。医療DXに取り組む熱量が極めて高いように感じられます。

【三津原】オンライン資格確認によって薬剤師は、これまで見ることができなかったデータを把握できるようになります。特定健診の結果が分かりますし、他の薬局で行われた調剤履歴も確認できます。薬剤師だったら、こうしたデータを見られるようになればワクワクして、「このシステムは凄いなぁ」と目を輝かせるはずです。電子処方箋のモデル地区にある弊社の薬局の薬剤師が、「これで薬剤師が医療の質を上げられなかったら、薬剤師は必要ありませんね」と言っていましたが、正に私も、そう考えています。確かに、マイナ保険証はさまざまな問題が指摘されていますが、一方で、多くのベネフィットのあるシステムであることも間違いありませんので、全社で積極的に取り組むよう心掛けてきました。ただ、他社さんのマイナ保険証持参率などを見る限り、まだ普及は道半ばと分かり、少々、残念に思っているところです。

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日本調剤オンライン薬局サービスNiCOMS(イメージ)
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