齋藤 昌孝 先生 抄録
巻き爪矯正具のひとつとして2019年10月に登場した巻き爪マイスターは、発売から2年が経過し、現在では国内の多くの施設で使用されている。巻き爪マイスターの登場によって、巻き爪の矯正治療における多様なニーズに応えられるようになり、軽症から重症までのさまざまなタイプの巻き爪を対象とすることが可能となった。そして、2021年11月に巻き爪マイスターの仕様が変更され、矯正効果をより一層安定化させることを目的として超弾性ワイヤがシングルからダブルとなり、さらに汎用性の高い製品へと進化を遂げた。
本セミナーでは、ダブルワイヤになって進化した巻き爪マイスターの特徴と装着方法を解説し、巻き爪の矯正治療における本製品の位置づけについて考察したい。
秋野 愛 先生 抄録
巻き爪マイスターは、既存の矯正治療と比較して、術者を選ばない装着性や、アフターケアの簡便性、もちろん内蔵の超弾性合金ワイヤによる矯正治療効果も期待できることから、発売時より自院でも採用し、期待どおりの巻き爪への効果を確認できた。ただし、その使用経験の中で、ホチキス型巻き爪への適用や装着中の破損といった製品構造を要因とするいくつかの課題が浮き彫りになってきたことも事実である。
今回、巻き爪マイスターは、内蔵している超弾性合金ワイヤが従来の1本から細径2本に変更され、新生「ダブルワイヤタイプ」となった。果たして、課題は解消されたのか。本セミナーでは、自施設での使用経験を踏まえてダブルワイヤの実力をレビューしてみたい。また、日常診療で役立つ巻き爪マイスターを使いこなすためのとっておきの治療レシピについても併せて紹介したい。