- 演者:
- 神奈川県立こども医療センター 皮膚科 部長 馬場 直子 先生
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馬場 直子 先生 抄録
小児の皮膚の特徴として、乳児期から学童期の初め頃までは、皮脂分泌が生涯で最も少ない皮脂欠乏状態であり、さらに角層で水分を保つアミノ酸などの保湿成分が少なく角層の水分が少ないドライスキンの状態にある。ドライスキンはバリア機能が低下し、経皮感作や皮膚感染症を招きかねず、また紫外線防御能も低下する。従ってドライスキンは放置せず十分に保湿することによって、バリア機能を補強するべきである。春や夏は汗でしっとりしているので保湿する必要はないと思われがちであるが、実は、特に夏こそ保湿ケアが大切である。夏は汗を拭きとったり、シャワーをたびたび浴びたり、またプールに入る機会も多くなり、そのために機械的刺激や塩素などによって皮脂が奪われてしまい、皮脂欠乏状態が高じやすくなる。春や夏の保湿剤としては、油分が少なく、べたつかず、伸びが良い、清涼感がある使い心地の良いものが望ましいと考える。