- 演者:
- 順天堂大学医学部附属浦安病院 皮膚科 准教授 木村 有太子 先生
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木村 有太子 先生 抄録
ニキビ痕の治療には、十分なエビデンスのある有用な治療方法が少ない。そのため、臨床の場ではさまざまな工夫が必要とされる。限られた治療方法の中でスキンケアやケミカルピーリング、レーザー治療の組み合わせになどより治療を行っていく。
陥凹性瘢痕は、真皮が完全に修復できず瘢痕組織へ置き換わっているため、真皮へのアグレッシブな治療を行われなければ高い治療効果は期待できない。また、ニキビ痕には炎症後色素沈着や炎症後紅斑が混在することが多い。つまり、皮膚表面の凹凸の治療に加え、赤みやくすみ治療をコンビネーションで考えていく必要がある。
当院では、陥凹性瘢痕にはフラクショナルレーザー療法※、隆起性瘢痕にはステロイドの局所注射、色素沈着にはケミカルピーリング※やIPL(intense pulsed light)治療※、ハイドロキノン外用※などの併用治療を行っている。
有用な治療法が確立されていないため、新たなニキビ痕を発症させないことが重要であり、ホームケアとしてエピデュオゲルを中心としたざ瘡治療を継続することが一番の予防法である。
以上を踏まえ、当院で行っている患者の症状に合わせたニキビ痕の治療を紹介する。
※保険適用外