- 演者:
- 新宿南口皮膚科 院長・理事長/東京医科大学皮膚科 兼任教授 乃木田 俊辰 先生
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乃木田 俊辰 先生 抄録
尋常性ざ瘡は慢性炎症性疾患であり、多くの場合、炎症性皮疹軽快後にも瘢痕を形成し、QOLの低下をもたらす。ざ瘡治療のゴールは、瘢痕を作らないことと提唱されている。
ざ瘡瘢痕の発症機序として、表皮ケラチノサイトの細胞表面のTLR-2などの発現が上昇すると、NF-κBの活性化でTNF-α、IL-1β、IL-8の産生が亢進、同時にAP-1の産生が亢進し、タンパク分解酵素が活性化し、コラーゲンの分解/断片化が促進され、瘢痕が形成される。 瘢痕形成を防ぐには、1)急性炎症期の早期から適切な治療を行う、2)維持期に長期間にわたり面皰改善薬の治療を継続することである。急性炎症期の治療後、すみやかに、維持期の治療を開始する。維持期では、ベピオゲル、エピデュオゲルを上手に使用し、長期間使用を続けることが重要である。 近年、エピデュオゲル使用後6ヶ月時に、萎縮性瘢痕数の増加率はエピデュオゲル側が4.5%、基剤側は24.5%であり萎縮性瘢痕数に有意差が生じた報告が発表され、エピデュオゲルが瘢痕形成を回避する可能性が示唆された。
本セミナーでは維持療法を中心に当院でのベピオゲル、エピデュオゲルの使用経験と長期使用させるコツについて紹介する。