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原発性腋窩多汗症患者を対象とした国内第Ⅲ相長期投与臨床試験(M606102-03)


    本試験実施時に用量設定は完了していなかったため、一部承認外(グリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤)の成績が含まれる。

    試験概要

    試験名

    HDSS2以上の原発性腋窩多汗症患者を対象とした第Ⅲ相長期投与臨床試験

    目的

    主要目的

    原発性腋窩多汗症患者を対象にラピフォートワイプ2.5%またはグリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤注)を1日1回52週間投与した際の安全性を評価する

    副次的目的

    原発性腋窩多汗症患者を対象にラピフォートワイプ2.5%またはグリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤注)を1日1回52週間投与した際の有効性および血漿中薬物濃度を評価する

    試験デザイン

    ランダム化、並行群間比較、多施設共同試験

    対象

    原発性腋窩多汗症患者377例

    主な選択基準

    [移行症例

    *国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(M606102-02)からの移行

    • 国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験の4週投与を完了し、治験薬の投与遵守率が80%以上の患者
    • 国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験の4週投与と同日に、本試験の適格性確認が可能な患者

    [新規症例]

    • HDSSのスコアが2以上の患者(スコア2︓ 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある)
    • 左右の腋窩ともに5分間の発汗重量が30mg以上であった患者

    方法

    患者をラピフォートワイプ2.5%群(183例)、グリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤注)群(194例)にランダムに割り付け、 1日1回左右の腋窩に52週間塗布した。

    有効性の評価項目

    • HDSSの各規定来院日の各カテゴリの例数および割合、ベースラインからの各変化量カテゴリの例数および割合
    • 発汗重量の各規定来院日の値とベースラインからの変化量
    • 参考情報:DLQI、CDLQIスコアの各規定来院日の値とベースラインからの変化量 など

    安全性の評価項目

    有害事象、臨床検査値、バイタルサイン

    薬物動態

    血漿中グリコピロニウム濃度
    血漿中グリコピロニウム代謝物(グリコピロニウムトシル酸塩水和物のエステル結合の加水分解によるカルボン酸化合物)濃度

    解析計画

    有効性は、FASを対象に解析した。移行症例のベースラインを国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験のランダム化日、新規症例のベースラインを本試験の登録日とした。
    ①は、投与群、Visitごとに、HDSSの各カテゴリの例数および割合を算出し、2週後以降の各Visitのベースラインからの変化量カテゴリ(3段階改善、2段階改善、1段階改善、非改善)ごとの例数および割合を算出した。
    ②は、投与群、Visitごとに、平均発汗重量(左右の5分間の発汗重量の平均)の要約統計量を算出した。また、2週後以降の各Visitのベースラインからの変化量の要約統計量を算出した。
    ③は、投与群、Visitごとに合計スコアおよび下位尺度の要約統計量を算出した。また、合計スコアについては、28週後および52週後の各Visitのベースラインからの変化量の要約統計量を算出した。

    注)グリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤群は承認外用量のため、有効性に関する結果は未記載。

    解析対象症例

    記事/インライン画像
    解析対象症例

    *1 治験実施計画書の規定通り、投与52週を完了した患者が各群で100例確保された時点で本治験は終了された。

    患者背景(FAS)

    ラピフォートワイプ
    2.5%群
    (N=183)
    グリコピロニウムトシル酸塩水和物
    3.75%ワイプ製剤注)
    (N=194)
    性別 n(%)
    74(40.4) 72(37.1)
    109(59.6) 122(62.9)
    年齢(歳)*2
    平均値(SD) 39.3(10.3) 40.0(11.5)
    中央値(範囲) 40.0(15-65) 41.0(15-71)
    投与タイミング
    181(98.9) 190(97.9)
    2(1.1) 4(2.1)
    ベースラインのHDSS
    2:発汗は我慢できるが、
    日常生活に時々支障がある
    4(2.2) 0(0.0)
    3:発汗はほとんど我慢できず、
    日常生活に頻繁に支障がある
    129(70.5) 143(73.7)
    4:発汗は我慢できず、
    日常生活に常に支障がある
    50(27.3) 51(26.3)
    ベースラインのDLQI
    平均値(SD) 6.5(5.4) 7.2(5.5)
    中央値(範囲) 6.0(0-23) 7.0(0-24)
    ベースラインの発汗重量(mg)
    平均値(SD) 130.54(102.38) 125.23(93.38)
    中央値(範囲) 95.70(31.65-586.40) 93.80(31.55-643.25)

    *2 移行症例︓国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験のインフォームドコンセント時の年齢、新規症例︓本試験のインフォームドコンセント時の年齢

    注)グリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤群は承認外用量のため、有効性に関する結果は未記載。

    有効性

    有効性評価項目:

    HDSSがベースラインから2段階以上改善した患者の割合の経時推移

    HDSSがベースラインから2段階以上改善した患者の割合は、28週で60.5%(101/167例)、52週で64.3%(83/129例)であった。

    記事/インライン画像
    HDSSがベースラインから2段階以上改善した患者の割合の経時推移

    有効性評価項目:

    ベースラインと比較して平均発汗重量が50%以上改善した患者の割合の経時推移

    平均発汗重量がベースラインから50%以上改善した患者の割合は、28週で82.6%(138/167例)、52週で85.3%(110/129例)であった。

    記事/インライン画像
    ベースラインと比較して平均発汗重量が50%以上改善した患者の割合の経時推移

    有効性評価項目:

    両腋窩の平均発汗重量のベースラインからの変化量の経時推移

    平均発汗重量のベースラインからの変化量は、28週後で-102.74mg/5分、52週後で-100.18mg/5分であった。

    記事/インライン画像
    両腋窩の平均発汗重量のベースラインからの変化量の経時推移

    有効性評価項目(参考情報):

    DLQIの合計スコアがベースラインから4段階以上変化した患者の割合

    DLQIの合計スコアがベースラインから4段階以上変化した患者の割合は、28週後で86.8%(105/121例)、52週後で90.1%(100/111例)であった。

    記事/インライン画像
    DLQIの合計スコアがベースラインから4段階以上改善した患者の割合
    • 対象はベースラインのDLQIの合計スコアが4以上の患者

    注)グリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤群は承認外用量のため、有効性に関する結果は未記載。

    安全性

    副作用

    副作用の発現頻度は、ラピフォートワイプ2.5%群で20.8%(38/183例)、グリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤注)群で28.4%(55/194例)であった。
    主な副作用は、ラピフォートワイプ2.5%群で羞明および口渇が3.8%(7/183例)、散瞳・霧視・接触皮膚炎が2.7%(5/183例)、排尿困難2.2%(4/183例)であった。グリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤注)群では、羞明が5.7%(11/194例)、霧視が4.6%(9/194例)、散瞳および接触皮膚炎が4.1%(8/194例)、口渇が3.6%(7/194例)、排尿困難が3.1%(6/194例)、頻尿が2.1%(4/194例)であった。
    重篤な副作用として、グリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤注)群で散瞳が1例報告された。
    本試験において死亡に至った副作用の報告はなかった。投与中止に至った副作用は、ラピフォートワイプ2.5%群で4例(接触皮膚炎2例、排尿困難・口渇・視力低下・適用部位湿疹各1例)、グリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤注)群で8例(排尿困難および散瞳各2例、眼の異常感・接触皮膚炎・頻尿・痒疹・口渇・尿流量減少・霧視・視力低下・尿量減少各1例)であった。

    比較的よくみられた副作用(いずれかの投与群で副作用の発現割合が2%以上であった副作用)
    (安全性解析対象集団)

    基本語 ラピフォートワイプ
    2.5%群
    (N=183)
    グリコピロニウムトシル酸塩水和物
    3.75%ワイプ製剤注)
    (N=194)
    眼障害
    散瞳 5(2.7) 8(4.1)
    羞明 7(3.8) 11(5.7)
    霧視 5(2.7) 9(4.6)
    一般・全身障害および投与部位の状態
    口渇 7(3.8) 7(3.6)
    腎および尿路障害
    排尿困難 4(2.2) 6(3.1)
    頻尿 2(1.1) 4(2.1)
    皮膚および皮下組織障害
    接触皮膚炎 5(2.7) 8(4.1)

    n (%)

    MedDRA/J version 22.0

    注)グリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤群は承認外用量のため、有効性に関する結果は未記載。

    6. 用法・用量
    1日1回、1包に封入されている不織布1枚を用いて薬液を両腋窩に塗布する。

    社内資料 : 原発性腋窩多汗症患者を対象とした第Ⅲ相試験(長期投与試験)(承認時評価資料)[CTD2.7.6.8]

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