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薬局経営者に聞く:全店で電子処方箋の応需態勢完了、先行者利益獲得へ(1/4)


ピノキオ薬局は、栃木県内で47店舗の薬局を運営するリージョナルチェーンです。かねてから教育研修に力を注ぐ薬局として知られ、数ある研修プログラムの中でも特に、「スペシャリスト研修」からは相談力を高めようとする同社の意思が明確に伝わってきます。
1月から運用が始まった電子処方箋への準備態勢も万全です。早期にHPKIカードを取得、既に全店でシステム改修を終了し、いつでも電子処方箋を応需できる態勢を整えました。田中社長は「投資は先行者利益の獲得か最後尾追走かの二者択一」と指摘、電子処方箋に関しては先行者利益を狙っていくと明らかにしました。同時に、栄養相談とオーラルフレイル対策を強化していく意向を示し、薬局に勤務する管理栄養士の存在価値を確立していきたいと、今後の抱負を語りました。

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株式会社ピノキオ薬局(栃木県) 代表取締役 田中 友和 氏
株式会社ピノキオ薬局(栃木県)
代表取締役 田中 友和 氏

県内シェア20%取るまで地元を固める

薬剤師になろうとお考えになったのは、どのような経緯からですか。

【田中】小学生の頃はテレビの影響で「悪の化学者」になりたいなどと夢見ていたのですが、高校時代は獣医になろうと考えていました。北海道大学獣医学部に行きたいと思っていたのですが、その狭き門を通過できる自信がなく、薬学部に進むことにしました。余り自慢できる話ではありません(笑)。

社会に出られて、まず静岡県の薬局に就職されたそうですね。

【田中】はい。当社に入社するまで、ずいぶん多くの会社にお世話になりました。静岡や埼玉の薬局、そしてドラッグストアなど様々な規模の会社で経験を積みました。1990年代はドラッグストアに勢いがありましたので、成長著しい会社で勉強したいと考えていました。

その後、長野・神奈川県など各地を回り、栃木県を最後に退職して戻ってきました。当時の上司には「どこに行ってもいいが、もし、栃木に転勤になったら辞めることになる」とだけ伝えていたのですが、それでも「立て直しに行ってくれ」と言われ栃木に異動しました。地元ですから、すぐに「ピノキオ薬局の次男が働いている」という噂が広まり、結果、退職することになりました。入社したのは平成16年のことです。

戻って来たからには、会社を引き継ぐお考えだったのですか。

【田中】その考えは全くありませんでしたし、入社時にも、いずれ社長になるという話は一切ありませんでした。というのも、私はすでに働いている弟が会社を継ぐものと思っていましたので、大学を終えてからずっと自分の勉強を優先し、外に出ていました。ほかの薬局を選んだのも、当時、新入社員研修が素晴らしいと業界で評判の薬局でしたので、ぜひ経験してみたいと考えて入りました。その薬局は推売力にも定評がありました。ある商品を全社一丸となって販売するパワーが、他のドラッグストアに比べて格段に高かったので、それも、この目で実際に見てみたいと考えていました。また、別の薬局では主に新店の立ち上げを担当し、たぶん20店舗くらいは経験したと思います。その頃は24時間戦えますか?の時代でしたので、終電に間に合わないことも度々でしたので身体はきつかったのですが、今思えば楽しかったですし、感謝しきれないくらい多くの勉強をさせてもらいました。

社長に就任された時、どのようなお気持ちでしたか。

【田中】私は3人兄弟ですので、「会社は父親にとって4番目の息子なのだろうから、弟が独立したからには自分が継がなければならないだろうな」という、極めて単純な考えでした。

実際に就任されてからは、ご苦労が少なくなかったのではないですか。

【田中】優秀なブレインとスタッフが揃っていますので、大きな声では言えませんが、私は余りすることがないのです(笑)。現在、県内に47店舗を展開していますが、近い将来も県外に出る計画はありません。県内で20%とか30%のシェアを取るまでは、県外に進出することは控えようと考えています。現在、県内には930軒余りの薬局がありますから、当社のシェアは5%に過ぎません。この程度では地域医療に対する影響力は、たかが知れています。もし、県内に200薬局とか300薬局ぐらい展開できていれば、今とは全く異なる取り組みが可能だったろうと思っています。ただ、最近、気付いたのですが、県内をしっかり固めようとする私の考え自体が、当社が大きく飛躍できない要因の1つになっているのかもしれません。少なくとも、私が平成29年に社長に就いてから、右肩上がりに店舗が増えてきたという事実はありません。45店舗を境に、上がったり下がったりしています。石橋を叩いても渡らないのかもしれません(笑)

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ピノキオ薬局大田原中央店
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