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薬局経営者に聞く:医療に近いドラッグストアとして地域に安心・利便性を提供(2/4)


健康時から関わることで顧客生涯価値を向上

その意味では、本腰を入れて調剤事業を育てる段階に入ったということですね。

【德廣】その通りです。これまで、調剤を専門に取り組んできた企業の皆さんは、既に無菌調剤への対応を終えられているところが少なくありませんが、弊社ではようやく一歩を踏み出した段階です。しかも、新型コロナの感染拡大を契機に、オンライン診療・服薬指導の更なる普及も見込まれますし、2023年1月から電子処方箋の運用が始まります。従って、今後もしばらくは、調剤を取り巻く環境が大きく変わっていくことが想定されますので、取り組みを強化しなければならないと考えています。

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トモズ

われわれのような調剤併設型ドラッグストアには健康な方々もたくさん来られます。日用品や化粧品も置いていますので、普段使いしていただく業態です。そうした領域の製品で接点を持っている方々も、いずれはご高齢になります。マーケティングの世界には「ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)」という文言がありますが、健康な時から関わることで、ライフタイムバリューを上げることができるのではないかと考えています。われわれが提供している物販・調剤の全てのサービスが連携していくと、「トモズは安心だな」とか「トモズは便利だな」と感じていただけるはずですので、そうしたお客様・患者様の心持ちを育むような丁寧なサービスを提供していきたいと思っています。

例えば、店舗内に「在宅医療を始めました」というポスターを貼るだけで、即座にお客様から反響が返ってきます。「トモズで薬を受け取っていた母親が在宅医療になってしまったので、受けていただけますか?」という声が届くのです。弊社のように健康な方々が集う業態は、施設在宅よりもむしろ個人在宅や独居高齢者などの在宅医療にこそ、強みを発揮できるのではないかと考えています。

健康な方から病気を抱える患者さんまで来られる業態ですと、幅広いサービスが求められます。ご苦労が多いのではないでしょうか。

【德廣】1993年の創業から、弊社の理念には「原則として調剤を行う」という文言を掲げています。その当時、面の処方箋が少なかったため、薬剤師には時間の余裕がありました。そのため店舗の価値を上げるための仕事として、化粧品の販売に協力してもらいました。薬剤師の知識を生かせるのが化粧品の分野だと考えたからです。肌に直接つけるものですし、成分の理解もできますからエビデンスのある説明やカウンセリングが可能です。その頃から食料品をディスカウント販売し集客する大手ドラッグストアがありましたが、われわれは同じ土俵に乗る考えは毛頭ありませんでした。せっかく多くの薬剤師がいるのですから、薬剤師の知識と情報を生かせるヘルス&ビューティーの商材に特化する路線を歩んできました。
そうするうちに分業が進み、他のドラッグストアも調剤に進出するようになりました。創業から調剤にこだわってきた企業理念、あるいは人材に対する考え方や店作りなどが、今こそ評価される時代に入ったと受け止めています。調剤を専門に取り組んでいる薬局チェーンや医薬品卸、製薬企業から、ようやく「医療に近いドラッグストア」という見方をされるようになってきました。

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測定器や健康相談カウンターが設置された店内
測定器や健康相談カウンターが設置された店内

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